CVP分析(損益分岐点)

売上高と費用の関係を直線で捉え、意思決定に使える基礎指標を身に付けます。

用語の整理

  • 固定費(FC): 生産量に関わらず一定の費用。
  • 変動費(VC): 生産量に比例して増減する費用。
  • 貢献利益(CM): 売上高 − 変動費(単位ベースなら 単価 − 単位変動費)。
  • 貢献利益率(CMR): 貢献利益 ÷ 売上高。

基本式

  • 損益分岐点数量:QBE = 固定費 ÷(販売単価 − 単位変動費)
  • 損益分岐点売上高:SBE = 固定費 ÷ 貢献利益率
  • 安全余裕率:MOS =(実際売上高 − SBE)÷ 実際売上高
単位あたりで考えるか、比率で考えるかを明確にしましょう。

使い所(例)

  • 価格改定やコストダウンの影響を素早く試算する。
  • 生産量の計画(最低限必要な販売数量の見積り)。
  • 固定費投資(設備更新)の意思決定に向けた目線づくり。

よくあるミス

  • 固定費に変動要素を混ぜる(費用の性格を再点検)。
  • 複数製品のミックスを固定として扱ってしまう。
  • 税・金融費用・非線形要素を含めて解釈してしまう(基礎段階では線形前提)。

損益分岐点の図(イメージ)

損益分岐点の図 売上線と総費用線が交わる点を損益分岐点として示した図 数量 金額 BEP

見方のポイント

  • 売上線(青)と総費用線(橙)の交点が損益分岐点です。
  • 左下は損失、右上は利益の領域。安全余裕率は「どれだけ右側にいるか」。
  • 総費用線は固定費の切片から始まり、傾きは単位変動費です。

次に進む

関連