要素別原価(材料費・労務費・経費)
原価の三つの要素を、定義と計算の型から押さえていきましょう。
学習の目的
- 要素別原価の定義を正しく説明できるようにします。
- 各要素の基本計算(数量×単価、時間×賃率など)を再現します。
- 直接費と間接費の切り分けの感覚を養います。
ここでのゴールは「迷わず分類できる」ことと「型通りに計算できる」ことです。
用語と定義
- 材料費: 製品に投入した材料の消費額。例)直接材料費、間接材料費。
- 労務費: 製造に従事する人の賃金・給料など。例)直接労務費、間接労務費。
- 経費: 材料費・労務費以外の製造関連費用。例)電力費、減価償却費、修繕費。
- 直接費/間接費: 製品に直接ひも付くか(直接費)/共通で発生し便宜的に配賦するか(間接費)。
材料費の基本計算
- 消費量 × 単価 = 材料費
- 例)消費 120kg × 250円/kg = 30,000円
- 間接材料は通常、製造間接費として処理します。
労務費・経費の基本計算
- 労務費: 作業時間 × 賃率(例)8時間 × 1,500円/時 = 12,000円
- 経費: 電力 1,200kWh × 18円/kWh = 21,600円 など数量×単価で捉えると整理しやすいです。
- 間接労務・間接経費は 製造間接費として集計し、配賦基準で各製品に配賦します。
詳細な配賦は次章「製造間接費と配賦基準」で見ていきます。
直接費と間接費の流れ
ミニまとめ
- 直接費はそのまま製品に帰属。
- 間接費はいったん集計して合理的に配賦。
- 配賦の「基準」と「率」は次章で確実にマスター。
チェックリスト
- 費目(材料・労務・経費)のいずれかに分類できる。
- 直接費と間接費の違いを説明できる。
- 数量×単価、時間×賃率の型を再現できる。
迷ったときは「製品に直接ひも付くか?」の視点に立ち戻りましょう。
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- ⚙️ 製造間接費と配賦基準(配賦率と配賦の流れ)
- 第1問(用語・分類)演習(準備中)