総合原価計算(平均法・先入先出)

等価完成品の考え方を軸に、1単位当たり原価の求め方と配賦の流れを整理します。

前提:等価完成品(EU)

  • 加工の進捗を「完成品何個分か」に換算した数量です。
  • 例)月末仕掛 200個・進捗50% → EU = 100個
  • 材料と加工費で進捗の扱いが違う場合があります(材料一括投入など)。

平均法の流れ

  1. 材料EU・加工EUを求める。
  2. (期首+当月)コストの合計 ÷ EU = 1単位当たり原価。
  3. 完成品と月末仕掛に配賦する。
平均法は「期首仕掛を区別しない」のが特徴です。

EU 簡易表(例:加工)

等価完成品の簡易表(加工) 期首・当月・完成・月末仕掛の数量と進捗からEUを求める表 項目 数量 進捗 EU 期首仕掛(未完分)10030%30 当月投入500100%500 月末仕掛15040%60
平均法とFIFOで「扱うコスト」と「EUの範囲」が異なる点に注意しましょう。

材料の扱い(例)

  • 材料の一括投入なら、材料EUは完成品+月末仕掛(100%)で計算。
  • 加工は進捗で変動(例:月末50% → EUは数量の50%)。

先入先出法(FIFO)の流れ

  1. まず期首仕掛を完成させるための追加EUを求める。
  2. 当月投入分のみのコスト ÷ 当月分のEU = 1単位当たり原価。
  3. 完成品(期首完成分+当月完成分)と月末仕掛に配賦する。
FIFOは「期首仕掛の未完部分」を明確に分けて計算します。

配賦イメージ(図)

総合原価計算の配賦イメージ 合計コストを等価完成品で割って1単位原価を求め、完成品と月末仕掛に配賦する図 合計コスト材料+加工 ÷ EU 1単位当たり原価材料・加工 完成品 月末仕掛

学習のコツ

  • 材料と加工で進捗の扱いが違う設問に注意しましょう。
  • EU→1単位原価→配賦 の順序を崩さないこと。
  • 表は綺麗に整列させ、桁はそろえて計算ミスを防ぎます。

次に進む