日商簿記3級 第2問(1) セットA(第1〜3回)

損益勘定の締切と法人税等、経過勘定、総勘定元帳の整理という導入3回分を本試験に近い操作で確認していきます。

現在の演習回 第1回(損益勘定・法人税等・繰越利益剰余金の振替)
演習セット 全15回(セットA)

第1回(損益勘定・法人税等・繰越利益剰余金の振替)

第1回 / 全15回

当社(会計期間:X7/4/1〜X8/3/31)は下表のとおり当期の収益・費用が確定した。
(1)法人税、住民税及び事業税(税引前利益の30%)を計上し、(2)損益勘定を締め切って繰越利益剰余金へ振替しなさい。
下の損益勘定・法人税等・未払法人税等・繰越利益剰余金の解答欄(表)に、空欄数値を入力すること。

先に収益合計と費用合計を確認し、税引前利益 → 法人税等 → 損益勘定の差額の順で整理すると迷いにくいです。

資料(確定済みの収益・費用)

区分 科目 金額(円)
収益売上22,150,000
収益受取利息45,000
費用仕入12,600,000
費用給料2,900,000
費用支払家賃550,000
費用旅費交通費180,000
費用減価償却費320,000
費用通信費120,000
費用支払利息22,000
※ 消費税は考慮しない(税抜処理済とみなす)。

解答欄(勘定記入:主要数値のみ入力)

損 益 勘 定
借方(費用)科目 金額 貸方(収益)科目 金額
仕入 / 給料 / 支払家賃 / 旅費交通費 / 減価償却費 / 通信費 / 支払利息 16,692,000 売上 / 受取利息 22,195,000
法人税、住民税及び事業税 (差額の振替)繰越利益剰余金
関連勘定の決算仕訳・残高
勘定科目 区分 金額(円)
法人税、住民税及び事業税 計上額
未払法人税等 期末計上額

先に見る順

  • 収益と費用の合計を先に出し、税引前利益を確定させてから空欄へ入れます。
  • 差額は税引後利益かどうかを最後に確認してから損益勘定へ置きましょう。
丁寧な解説(損益勘定と法人税等の締切)

この問題では、損益勘定の差額と法人税等をどう締め切るかを判定します。先に収益合計と費用合計を出し、税引前利益を確定させてから法人税等、最後に損益勘定の差額を埋める順番で見ると崩れません。

  1. 収益合計 22,195,000円、費用合計 16,692,000円なので、税引前利益は 5,503,000円 です。
  2. 法人税等は税引前利益の30%ですから、1,650,900円。仕訳は 法人税等 1,650,900 / 未払法人税等 1,650,900 となります。
  3. 税引後利益は 5,503,000−1,650,900=3,852,100円。収益が費用より大きいので、損益勘定の差額は貸方へ繰越利益剰余金として振り替えます。
  • よくあるミスは、法人税等を引く前の金額をそのまま差額にしてしまうことです。損益勘定に入る差額は税引後利益かどうかを必ず確認しましょう。
  • 最後は、損益勘定の借方に「法人税等」と「差額」が並び、貸方と合計が一致するかを見直すと安全です。

第2回(経過勘定:前払利息と未払利息、前払保険料)

第2回 / 全15回

当社は以下の資金取引と保険契約を行っている。
期末(X8/3/31)に必要な経過勘定の整理を行い、空欄に金額を記入しなさい。

月数を先に確定し、前払・未払・翌期分のどれに当たるかを分けてから計算式へ入れると整理しやすいです。

資料

  1. X7/11/1、借入金 1,200,000円(年2%)を借入。利息は借入時に1年分前払(差引受取)とした。仕訳:現金 1,176,000 / 借入金 1,200,000、前払利息 24,000
  2. X7/6/1、借入金 2,000,000円(年3.6%)を借入。利息は11月末と返済日に6か月ごとに後払い。11/30には適切に処理済み。期末は12/1〜3/31分を計上する。
  3. X7/6/30、保険料 200,000円(1年契約)を現金払。保険期間:X7/7/1〜X8/6/30。

解答欄(金額のみ入力)

項目 説明 金額(円)
① 当期の費用化額(前払利息の取崩) 1年分24,000のうち、X7/11/1〜X8/3/31(5/12)を費用化
② 期末の未払利息計上額 2,000,000×3.6%×(12/1〜3/31の4か月)
③ 期末の前払利息残高 前払利息24,000 − ①
④ 支払利息 当期追加計上合計 ①+②
⑤ 前払保険料(期末) 保険期間X7/7/1〜X8/6/30のうち、期末翌日から残り3か月分(4〜6月分)を前払認識:200,000×3/12
ヒント:利息の前払(資産)は費用化で減少、未払(負債)は発生額を計上します。

採点前チェック

  • 前払は資産、未払は負債として残るかを、数字を入れる前に言葉で確認します。
  • 当期分の費用化と翌期分の残高を混ぜていないかを、月数ベースで見直しましょう。
丁寧な解説(経過勘定の整理手順)

この問題では、前払・未払・前払保険料の3種類を、資産か負債かを意識して整理できるかを見ています。解く順番は「当期分を計算する」「期末残高を出す」「合計欄を確認する」の3段階にすると迷いにくいです。

  1. 前払利息24,000円は1年分を先払いしているので、当期分5か月だけを費用化します。24,000×5/12=10,000円、仕訳は 支払利息 10,000 / 前払利息 10,000 です。
  2. 未払利息は後払い契約なので、12/1〜3/31の4か月分を見越します。2,000,000×3.6%×4/12=24,000円、仕訳は 支払利息 24,000 / 未払利息 24,000 です。
  3. 前払利息の期末残高は 24,000−10,000=14,000円。支払利息の当期追加計上は 10,000+24,000=34,000円。前払保険料は翌期分3か月なので 200,000×3/12=50,000円 です。
  • よくあるミスは、前払を「払っているから費用」と考えて全額費用化すること、また未払を「まだ払っていないからゼロ」としてしまうことです。期末時点で当期に属するか、翌期に属するかで判断します。
  • 最後は、前払は資産、未払は負債、支払利息は費用という3つの向きを言葉で確認してから数字を見直しましょう。

第3回(総勘定元帳への転記:売掛金・買掛金・普通預金・現金)

第3回 / 全15回

下記の取引を仕訳し、指定の総勘定元帳に金額を転記しなさい。

まず仕訳の借方・貸方を固め、次に各勘定の増減を見て、最後に残高と次月繰越をまとめて埋める流れで進めます。

取引(X7年4月)

  1. 4/5 商品を売上(掛)本体 460,000、消費税10%:売掛金 506,000 / 売上 460,000、仮受消費税 46,000
  2. 4/10 得意先から売掛金 300,000 の入金あり、普通預金へ振込。振込手数料 600 は当社負担で差引(銀行控除):普通預金 299,400 / 売掛金 300,000、支払手数料 600
  3. 4/12 商品を仕入(掛)本体 280,000、消費税10%:仕入 280,000、仮払消費税 28,000 / 買掛金 308,000
  4. 4/20 買掛金 100,000 を現金で支払:買掛金 100,000 / 現金 100,000

解答欄(総勘定元帳:主要行のみ入力)

売 掛 金
借方摘要 金額 貸方摘要 金額
4/5 売上 4/10 普通預金
(ー) 次月繰越
買 掛 金
借方摘要 金額 貸方摘要 金額
4/20 現金 4/12 仕入 308,000
次月繰越 (ー)
普 通 預 金
借方摘要 金額 貸方摘要 金額
4/10 売掛金回収(振込手数料差引) (ー) 0
(ー) 次月繰越
現 金(前月繰越 120,000)
借方摘要 金額 貸方摘要 金額
前月繰越 120,000 (ー) 0
(ー) 0 4/20 買掛金 100,000
(ー) 次月繰越

先に見る順

  • 資産か負債かを決めると、借方増減・貸方増減の向きがぶれにくくなります。
  • 次月繰越は残高の反対側へ書くので、最後に左右が一致するかまで確認しましょう。
丁寧な解説(総勘定元帳への転記と締切)

この問題では、仕訳を各勘定へ正しい向きで転記し、残高を次月繰越へつなげられるかを確認します。解く順番は、まず仕訳の借方・貸方を確定し、次に各勘定の増減を見て、最後に残高の反対側へ次月繰越を書く流れが基本です。

  1. 売掛金は資産なので借方増・貸方減です。4/5に 506,000円増え、4/10に 300,000円減るため、残高は 206,000円(借方残)。締切では貸方に「次月繰越 206,000」を書きます。
  2. 買掛金は負債なので貸方増・借方減です。4/12に 308,000円増え、4/20に 100,000円減るので、残高は 208,000円(貸方残)。したがって借方に「次月繰越 208,000」です。
  3. 普通預金は借方 299,400円だけが残り、現金は前月繰越 120,000円から支払 100,000円を引いて 20,000円 が残ります。どちらも資産なので、残った金額は貸方側に次月繰越を書いて締め切ります。
  • よくあるミスは、残高の向きと次月繰越を書く側を逆にすることです。借方残なら貸方へ、貸方残なら借方へ書いて左右を一致させます。
  • 4/10 の振込手数料 600円は当社負担なので、普通預金は 299,400円しか増えません。売掛金の減少額 300,000円と預金の増加額 299,400円が違う理由を説明できるかで理解度を確認しましょう。