日商簿記3級 第2問(1) セットB(第4〜6回)

現金出納帳の集計から移動平均法、買掛金元帳の整合まで、中盤で押さえたい3テーマをネット試験と同じ流れで確認していきます。

現在の演習回 第4回(補助簿:現金出納帳)
演習セット 全15回(セットB)

第4回(補助簿:現金出納帳)

第4回 / 全15回

X4年4月の現金取引について、現金出納帳の空欄を埋め、受入合計・支払合計・期末残高を求めていきます。
4月28日の仮払金精算では従業員が余剰額を返金していますので、現金の受入として整理します。

資料

  • 単位は円です(カンマ入力の有無は問いません)。
  • 4月28日の差額返金は旅費実額との差額1,400円を現金で受け取った取引です。

解答欄(現金出納帳)

現金出納帳(X4年4月)
日付 摘要 受入金額 支払金額
4/1 前月繰越 120,000
4/2 現金売上 36,000
4/5 仕入代金支払 48,000
4/10 通信費 3,000
4/12 仮払金(出張前渡し) 20,000
4/20 旅費交通費(当日現金) 12,300
4/22 水道光熱費 6,480
4/24 売掛金回収 50,000
4/28 仮払金精算の差額返金
4/30 雑費 1,620
合計
期末残高
差額返金は仮払金よりも支出が少なかったために発生した受入です。現金の増加として記入します。
解説(第4回)
  1. 4月28日は旅費交通費の実額 18,600円に対し仮払金 20,000円でした。差額 1,400円 を従業員から受け取りますので現金の受入になります。
  2. 受入合計=120,000+36,000+50,000+1,400=207,400、支払合計=48,000+3,000+20,000+12,300+6,480+1,620=91,400 です。
  3. 期末残高は受入合計 − 支払合計=116,000。受入欄に返金額を忘れないよう意識しましょう。

第5回(商品有高帳:移動平均法)

第5回 / 全15回

A商品の受入・払出を移動平均法で処理し、受入欄や残高欄の空欄を埋めます。
返品は該当仕入単価でマイナス記入し、残高の平均単価を再計算しましょう。

資料

  • 期首在庫:9月1日 100個 @200円。
  • 以降の仕入はすべて掛仕入です。払出単価は直前の平均単価を使用します。
  • 9月22日には9月21日仕入分から50個を返品します(受入欄にマイナスで記入します)。

解答欄(商品有高帳)

商品有高帳(移動平均法)A商品
日付 摘要 受入 数量 受入 単価 受入 金額 払出 数量 払出 単価 払出 金額 残 数量 残 単価 残 金額
9/1 期首 100 200 20,000 100 200 20,000
9/7 仕入 300 220 66,000 400
9/8 売上払出 200 215 215 43,000
9/14 仕入 100 230 23,000 300 66,000
9/18 売上払出 150 220 150 220 33,000
9/21 仕入 100 240 24,000 250 57,000
9/22 仕入返品(受入マイナス) -50 240 200
移動平均法では受入のたびに平均単価を更新し、払出は更新後の単価を用います。返品は該当仕入と同じ単価でマイナス記入します。
解説(第5回)
  1. 9月7日:残数量 400個、残金額 20,000+66,000=86,000円 → 平均単価は 215円 です。
  2. 9月8日:払出 200個×215円=43,000円、残は 200個×215円=43,000円になります。
  3. 9月14日:残 43,000円+仕入 23,000円=66,000円、数量 300個 → 平均 220円
  4. 9月21日:残 33,000円+仕入 24,000円=57,000円、数量 250個 → 平均 228円
  5. 9月22日返品:50個×240円=12,000円 を受入欄にマイナス。残金額 57,000円−12,000円=45,000円、数量 200個 → 平均 225円 です。

第6回(補助元帳:買掛金元帳)

第6回 / 全15回

仕入先「岩崎商店」の4月取引を買掛金元帳へ転記し、次月繰越を求めます。
買掛金は負債勘定なので、貸方増・借方減の動きを丁寧に追いましょう。

資料

  • 前月(3月31日)残高:貸方 50,000円。
  • 4月3日 仕入 80,000円(掛)。
  • 4月10日 仕入返品 6,000円。
  • 4月15日 現金で 60,000円 を支払いました。
  • 4月25日 仕入 28,000円(掛)。
  • 4月26日 当座預金小切手で 40,000円 を支払いました。

解答欄(買掛金元帳)

買掛金元帳(岩崎商店)
日付 摘要 借方(減少) 貸方(増加)
3/31 前月繰越 50,000
4/3 仕入
4/10 仕入返品
4/15 現金支払
4/25 仕入
4/26 当座預金支払
次月繰越(貸方残高)
貸方合計(50,000+80,000+28,000)と借方合計(6,000+60,000+40,000)を比較し、差額を次月繰越として記入します。
解説(第6回)

買掛金は負債科目のため、貸方記入で増え、借方記入で減少します。4月の貸方増加は 80,000円+28,000円=108,000円、借方減少は 6,000円+60,000円+40,000円=106,000円です。前月繰越 50,000円を加味すると、貸方残高は 52,000円 となります。