日商簿記3級 第2問(1) セットC(第7〜9回)

経過勘定や減価償却、仕入先元帳、法人税等の整理まで決算を横断する3問を、本試験と同じ流れで確認していきます。

現在の演習回 第7回(経過勘定と減価償却の勘定記入)
演習セット 全15回(セットC)

第7回(経過勘定と減価償却の勘定記入)

第7回 / 全15回

X8年4月1日〜X9年3月31日を会計期間とする当社で、保険料の経過勘定処理と備品の減価償却を行います。決算日の仕訳を勘定に反映し、空欄を埋めましょう(単位:円)。

資料

内容 数値・条件
火災保険料 X8年7月1日に1年分120,000円を普通預金で支払(保険期間:X8/7/1〜X9/6/30)
備品(既存) 取得原価1,200,000円、耐用年数5年(残存価額0)、前期末の減価償却累計額480,000円
備品(当期取得) X8年10月1日に取得原価600,000円、耐用年数5年、月割計算

勘定記入

保険料(費用)
借方 貸方
日付 摘要 金額 日付 摘要 金額
7/1 普通預金 120,000 3/31 前払保険料
3/31 損益
決算日には未経過3か月分(4〜6月)を前払保険料へ振り替え、残り9か月分を費用化します。
前払保険料(資産)
借方 貸方
日付 摘要 金額 日付 摘要 金額
3/31 保険料 4/1 次期繰越
減価償却費(備品)
借方 貸方
日付 摘要 金額 日付 摘要 金額
3/31 備品 3/31 損益
既存備品240,000円+当期取得分60,000円(600,000×1/5×6/12)=計300,000円を計上します。
備品減価償却累計額(資産のマイナス)
借方 貸方
日付 摘要 金額 日付 摘要 金額
3/31 次期繰越 4/1 前期繰越 480,000
3/31 減価償却費
解説(第7回)
  1. 保険料120,000円のうち決算日時点の未経過3か月分は 30,000円 を前払保険料へ振り替え、残り9か月分である 90,000円 を費用化します。
  2. 減価償却費は既存備品240,000円と10月取得分60,000円の合計 300,000円。累計額は期首480,000円に当期300,000円を加えた 780,000円 で次期へ繰り越します。
  3. 経過勘定と減価償却の勘定記入は第2問(1)の頻出論点です。問われ方の整理は分析レポートを参照してください。

第8回(買掛金元帳:東西商店)

第8回 / 全15回

東西商店との4月分取引について、買掛金元帳の借方・貸方・残高欄を完成させます。買掛金は負債のため、貸方残で推移する点に注意しましょう。

資料

日付 内容 金額(円)
4/1前月繰越(買掛金 残)90,000
4/3商品を掛で仕入140,000
4/12買掛金の一部を当座預金で支払100,000
4/20仕入返品(東西商店あて)20,000
4/25商品を掛で追加仕入70,000
4/30小切手を振り出して支払80,000

解答欄(買掛金元帳)

日付 摘要 借方 貸方 残高(貸方)
4/1 前月繰越 90,000
4/3 仕入
4/12 当座預金
4/20 返品
4/25 仕入
4/30 小切手
5/1 次月繰越
仕入(掛)は貸方、支払・返品は借方に記入し、毎取引後の貸方残高を計算します。
解説(第8回)

買掛金は負債なので貸方増・借方減で推移します。期首90,000円から順に操作すると、期末残高は 100,000円(貸方) となり、これを次月へ繰り越します。

補助元帳(買掛金・売掛金・商品有高帳など)は第2問(1)の定番です。全体の出題レンジは分析資料を参照してください。

第9回(法人税、住民税及び事業税の整理)

第9回 / 全15回

税引前利益 2,100,000円、法人税等の税率30%とする決算整理です。期中に仮払法人税等 300,000円を納付済みの場合の勘定記入を完成させましょう(単位:円)。

前提整理

  • 法人税等の当期計上額:2,100,000 × 30% = 630,000
  • 仮払法人税等 300,000円は決算で法人税等に充当し、差額 330,000円は未払法人税等として残す。

解答欄(勘定記入)

法人税、住民税及び事業税(費用)
借方 貸方
日付 摘要 金額 日付 摘要 金額
3/31 (計上) 3/31 損益
仮払法人税等(資産)
借方 貸方
日付 摘要 金額 日付 摘要 金額
期中 現金預金 300,000 3/31 法人税等
未払法人税等(負債)
借方 貸方
日付 摘要 金額 日付 摘要 金額
3/31 法人税等
法人税等630,000円に対して仮払300,000円を充当し、差額330,000円が期末負債として残ります。
チェックポイント
項目 金額(円)
法人税等の当期計上額(税引前利益×30%)
期末の未払法人税等(当期計上額−仮払)
解説(第9回)
  1. 税引前利益 2,100,000円の30%で法人税等は 630,000円。仮払 300,000円を充当後、差額 330,000円 を未払法人税等として計上します。
  2. 法人税等は費用で借方計上し、決算で損益勘定へ振り替えます。仮払法人税等は資産のため借方残→決算で減少、未払法人税等は負債として貸方残となります。
  3. 法人税等と繰延税金の扱いは第2問(1)と第3問の橋渡し論点です。詳細は演習ガイドを確認してください。