会話で理解する：過大・過少の見分け
ユイ： 過大配賦と過少配賦、どちらがどちらか混乱します。
サクラ先生： 配賦額＞実際額＝過大、配賦額＜実際額＝過少です。過大なら売上原価を減らす方向（製造間接費／売上原価）に調整します。
ユイ： 表は何を示していますか？
サクラ先生： 過大配賦の代表仕訳です。金額と借方・貸方の位置をセットで確認しましょう。
ポイント：過大＝配賦しすぎ／過少＝配賦不足。仕訳は売上原価の増減に注意。
過大・過少配賦
配賦額（予定）と実際発生額の差額です。初級では売上原価への振替処理が中心です。
例：予定配賦率200円/時で実績基準量3,500時間なら配賦額は200×3,500＝700,000円です。実際の製造間接費が680,000円なら、差額＝680,000−700,000＝−20,000円で過大配賦。仕訳は製造間接費20,000／売上原価20,000となります。
考え方は、まず差額＝実際−配賦を計算して符号で判定することです。差額が負なら過大（配賦しすぎ）、正なら過少（配賦不足）。初級では差額を売上原価に振り替えて整えます。
定義と見分け方
- 過大・過少配賦は配賦額（予定）と実際額の差です。差額＝実際−配賦。
- 差額が負なら過大（配賦しすぎ）、正なら過少（配賦不足）。初級では売上原価へ振替えます。
- 与件に「配賦差額」や「過大/過少」が出たら、まず差額を計算して符号で判定します。
要点まとめ（20秒で要点）
- 差額＝実際発生額 − 配賦額（予定配賦率×実績基準量）。
- 差額＜0 ⇒ 過大（配賦しすぎ）→ 製造間接費／売上原価。
- 差額＞0 ⇒ 過少（配賦不足）→ 売上原価／製造間接費。
見抜き方（第2・3問）
- 「配賦差額」「過大/過少」→ まず差額＝実際−配賦を計算。
- 振替先は初級なら売上原価（例外指示があれば指示に従う）。
代表仕訳
配賦が過大（配賦しすぎ）なら、製造間接費／売上原価。過少ならその逆です。
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 製造間接費 | 15,000 | 売上原価 | 15,000 |
| 定義 | 判定 |
|---|---|
| 差額＝実際発生額 − 配賦額（予定配賦率×実績） | 差額 ＞ 0 → 過少配賦／ 差額 ＜ 0 → 過大配賦 |
ミニ問題（過大・過少配賦）
選択肢から答えを選びましょう。正答と解説は「▼」を押すまで表示しません。
Q1. 過大配賦とはどのような状態ですか？
- A. 配賦した製造間接費が実際発生額を上回っている状態
- B. 実際発生額が配賦額を上回っている状態
- C. 材料費が標準より多く使用された状態
▼ 正答と解説を表示
正解：A（配賦した製造間接費が実際発生額を上回っている状態）
過大配賦は配賦額＞実際額の状態です。過少配賦はその逆で、実際額が配賦額を上回っています。
Q2. 過少配賦が生じたとき、損益計算書に与える影響はどれでしょうか。
- A. 売上原価を増加させる調整が必要になる
- B. 営業外費用として処理する
- C. 販管費を減少させる
▼ 正答と解説を表示
正解：A（売上原価を増加させる調整が必要になる）
過少配賦は配賦額が不足しているため、売上原価などを増加させて調整するのが通常です。
Q3. 過大・過少配賦が発生する主な原因はどれですか？
- A. 実際操業度や実際製造間接費が予想と異なった
- B. 材料の仕入単価が変動した
- C. 販売単価が変動した
▼ 正答と解説を表示
正解：A（実際操業度や実際製造間接費が予想と異なった）
予定配賦率と異なる操業度・実際製造間接費で進行すると差額が生まれ、過大・過少配賦が発生します。