回避可能費用関連原価

意思決定では差額に効く費用だけに注目します。ある案を選ぶと発生を避けられる費用が、回避可能費用です。

定義と見分け方

考え方

関連原価の見方
対象扱い
案で変わる金額増分費用・機会費用=関連原価(回避可能費用)
案で変わらない金額サンクコスト・共通固定費無関係

会話で理解する:差が生まれるところだけ見る

ユイ: どの費用を拾えば良いのか、判断が難しいです。

サクラ先生: キーワードは差額です。選択肢によって増減する増分費用・機会費用だけを拾います。過去に払ったお金(サンクコスト)は関係しません。

ユイ: すぐできるチェックはありますか?

サクラ先生: 「案AとBで金額が変わるか?」と声に出して問うこと。変わらなければ無関係、変われば関連です。

ポイント:関連=案で変わる。サンクコストは見ない。

ミニ問題(回避可能費用関連原価))

選択肢から答えを選びましょう。正答と解説は「▼」を押すまで表示しません。

Q1. 回避可能費用関連原価)の説明として正しいものはどれですか?

  • A. 意思決定の選択肢によって発生額が変わる費用
  • B. 既に支出済みで回収できない費用
  • C. 固定費のうち減価償却費を指す
▼ 正答と解説を表示

正解:A(意思決定の選択肢によって発生額が変わる費用)

回避可能費用は選択肢によって発生額が変わる費用で、意思決定に影響します。サンクコストは含めません。

Q2. 製品ラインを中止するか検討するとき、回避可能費用として重視するのはどの費用でしょうか。

  • A. 中止すれば支払いを免れられる費用
  • B. 既に購入済みの機械の取得原価
  • C. 固定資産税など必ず発生する費用
▼ 正答と解説を表示

正解:A(中止すれば支払いを免れられる費用)

ラインを止めると不要になる費用が回避可能費用で、判断材料になります。既に発生した取得原価はサンクコストです。

Q3. 特別注文の受注可否を検討するとき、関連原価に含めるのが適切なのはどれですか?

  • A. 追加材料費や追加労務費など増分費用
  • B. 既存製品の売価
  • C. 本社の一般管理費
▼ 正答と解説を表示

正解:A(追加材料費や追加労務費など増分費用)

特別注文で追加的に発生する費用が関連原価になります。既存の固定的な一般管理費は通常意思決定の差額に影響しません。

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