日商簿記3級 第2問(2)|第1〜3回 演習

第1回(商品有高帳:移動平均法)

X8年10月のA商品について、移動平均法で主要箇所を求めていきましょう。消費税は考慮しません。小数点は使わず、円単位(単価も円)で入力します。

【与件】

  • 期首(10/1)在庫:180個 @ 420円
  • 10/5 仕入:120個 @ 480円
  • 10/12 売上:200個 @ 590円
  • 10/18 仕入:100個 @ 430円
  • 10/26 売上:150個 @ 610円

① 移動平均の計算(主要箇所のみ)

数量・単価・残高の推移(移動平均法)
日付 受入 売上(払出) 残高(数量) 平均単価 残高金額
10/1 在庫 180 @ 420 - 180 420 75600
10/5 仕入 120 @ 480 - 300 (自動)
10/12 - 売上 200 (同左の平均単価)
10/18 仕入 100 @ 430 - 200 (自動)
10/26 - 売上 150 (同左の平均単価)

※「自動」は採点では使用しません。平均単価と残高欄を埋めれば採点可能です。

② 原価計算

10/12 売上の売上原価
10/26 売上の売上原価

③ 月間集計

10月の売上高
10月の売上総利益
丁寧な解説(移動平均法の流れ)

この問題は、商品有高帳で 仕入のたびに平均単価を更新し、その直後の売上原価と期末残高まで一気につなげる 練習です。まず平均単価、次に売上原価、最後に売上高と売上総利益の順で埋めると崩れにくくなります。

  1. 10/5受入後の平均単価は (180×420+120×480)÷(180+120)444円 です。ここで更新した単価を 10/12 売上に使います。
  2. 10/12売上200個の売上原価は 444×20088,800円、残高は 100個・44,400円です。売上後は平均単価を変えません。
  3. 10/18仕入後は、残高44,400円に仕入100個×430円を足して、数量200個で割ると平均単価は 437円 になります。
  4. 10/26売上150個の売上原価は 437×15065,550円、期末残高は 50個・21,850円です。
  5. 売上高は 590×200+610×150209,500円、売上総利益は 209,500−(88,800+65,550)55,150円 です。

よくある誤りは、売上のたびに平均単価を更新してしまうことです。移動平均法は 仕入のときだけ単価を更新 すると覚えると安定します。

第2回(買掛金:総勘定元帳と買掛金元帳)

6月の買掛金に関する取引をもとに、総勘定元帳と各仕入先の買掛金元帳を完成させていきましょう。帳簿はいずれも月末締切です。

【与件取引】

  • 前月繰越:滋賀200,000円、福井300,000円(合計500,000円)
  • 6/5 滋賀から仕入180,000円(掛)
  • 6/9 滋賀へ返品20,000円
  • 6/12 福井から仕入460,000円(掛)
  • 6/20 滋賀へ普通預金で200,000円支払い
  • 6/25 福井へ当座預金で150,000円支払い
  • 6/27 福井分100,000円を電子記録債務へ振替

① 総勘定元帳(買掛金)

買掛金 勘定の月間集計
借方金額 貸方金額
返品 前月繰越500000
普通預金 仕入180000
当座預金 仕入460000
電子記録債務 次月繰越

※金額は円単位、区切りなしOK。総勘定元帳の残高(次月繰越)も入力します。

② 買掛金元帳(滋賀商店)

仕入先:滋賀商店
借方金額貸方金額
返品前月繰越200000
普通預金仕入180000
次月繰越

③ 買掛金元帳(福井商店)

仕入先:福井商店
借方金額貸方金額
当座預金前月繰越300000
電子記録債務仕入460000
次月繰越
丁寧な解説(補助元帳を先に確定する)

この問題は、仕入先別の買掛金元帳を先に固め、その合計で総勘定元帳の次月繰越を確認する のが最短です。総勘定から先に始めるより、相手先ごとの増減を分けたほうが計算ミスを減らせます。

  1. 滋賀商店は、前月繰越200,000円に仕入180,000円を足し、返品20,000円と普通預金支払200,000円を引くので、月末残高は 160,000円 です。
  2. 福井商店は、前月繰越300,000円に仕入460,000円を足し、当座預金150,000円と電子記録債務100,000円を引くので、月末残高は 510,000円 です。
  3. 補助元帳の合計は 160,000+510,000670,000円 となり、これが総勘定元帳の次月繰越です。
  4. 総勘定元帳でも、期首500,000円に仕入合計640,000円を足し、返品20,000円・普通預金200,000円・当座預金150,000円・電子記録債務100,000円を引くと、同じく 670,000円 になります。

よくある誤りは、電子記録債務への振替を支払から落とすことです。買掛金が減る取引は、現金支払以外でも借方側に入ると整理すると迷いにくくなります。

第3回(補助簿の判定)

10月の各取引について、該当する補助簿すべてにチェックを入れていきましょう(該当なしの場合は「該当なし」を選択)。

① 取引一覧

対象取引と該当する補助簿
日付 取引内容
10/2商品350,000円を掛で販売した。
10/8商品240,000円を仕入れ、うち50,000円は現金で支払い、残額は掛とした。
10/15得意先から売掛金200,000円について約束手形を受け取った。
10/20事務用机180,000円を掛で購入した。
10/31売掛金150,000円が当座預金に振り込まれた。

② 補助簿の判定

日付 現金出納帳 当座預金出納帳 商品有高帳 売掛金元帳 買掛金元帳 受取手形記入帳 支払手形記入帳 売上帳 仕入帳 固定資産台帳 該当なし

※取引ごとに、該当する帳簿すべてを選択してください。

丁寧な解説(各取引の該当補助簿)

補助簿問題は、取引文を読んだら最初に 商品か・掛けか・現金/当座か・固定資産か を切り分けるのが基本です。第3回は、その切り分けを5パターンで確認する問題です。

  1. 10/2 掛売は、売上明細を残す 売上帳 と、得意先別残高を増やす 売掛金元帳 を使います。商品有高帳は今回の採点対象外です。
  2. 10/8 現金+掛の仕入は、仕入の明細を記録する 仕入帳、現金支払を記録する 現金出納帳、掛けにした残額を管理する 買掛金元帳 が必要です。
  3. 10/15 売掛金を手形で回収したら、手形の受入を記録する 受取手形記入帳 と、売掛金残高を減らす 売掛金元帳 を同時に更新します。
  4. 10/20 事務用机は商品ではなく固定資産なので、固定資産台帳 を使います。掛購入なので、相手先管理として 買掛金元帳 も必要です。
  5. 10/31 売掛金が当座預金に入金されたら、入金先の 当座預金出納帳 と、回収記録としての 売掛金元帳 を使います。

迷いやすいのは、「備品なのに仕入帳を選ぶ」「掛けの増減なのに元帳を落とす」ケースです。商品売買かどうかを先に判定すると選択肢をかなり絞れます。