予定配賦率

配賦のスピードと平準化のために、期首に比率を決めておきます。

例:期首の見積りで製造間接費600,000円、予定直接作業時間3,000時間なら、予定配賦率600,000÷3,000=200円/時です。ある製品に実績5時間かかったなら、配賦額は200×5=1,000円を加算します。

考え方は「率×実績で素早く配賦し、期末に予算と実績の差を過大・過少配賦として調整する」です。これにより月中の計算が安定し、迅速に原価を集計できます。

定義と見分け方

要点まとめ(20秒で要点)

見抜き方(第2・3問)

定義と公式

予定配賦率と配賦額(例)
予定製造間接費予定基準量予定配賦率配賦額(率×実績)
1,200,000円 1,000時間 1,200円/時間 1,200円×実績時間

会話で理解する:比率を先に決める理由

ユイ: どうして先に比率を決めるのですか?

サクラ先生: 月中は実際額が確定しないので、予定額÷予定基準量スピードと平準化を図ります。あとは実績基準量を掛けるだけです。

ユイ: 期末の差額は?

サクラ先生: 過大・過少配賦として整理します。売上原価などへの振替も確認しましょう。

ポイント:配賦額=予定配賦率×実績基準量。差は期末に調整。

使いどころ(試験での見抜き方)

よくある誤り:実際額÷実際基準量」で率を出してしまう/配賦額を「率×予定」としてしまう。→ 正しくは予定÷予定で率、配賦は率×実績です。
関連演習:第2問

ミニ問題(予定配賦率

選択肢から答えを選びましょう。正答と解説は「▼」を押すまで表示しません。

Q1. 予定配賦率の求め方として正しいものはどれですか?

  • A. 予定製造間接費÷予定基準量
  • B. 実際製造間接費÷実際基準量
  • C. 固定製造間接費÷変動費
▼ 正答と解説を表示

正解:A(予定製造間接費÷予定基準量)

予定配賦率は期首に予定製造間接費と予定操業度を用いて算出します。実績値で算定するのは配賦差異の分析です。

Q2. 予定配賦率を採用する主な理由はどれでしょうか。

  • A. 操業中に素早く配賦額を決めるため
  • B. 決算整理仕訳を減らすため
  • C. 原材料購入量を自動で調整するため
▼ 正答と解説を表示

正解:A(操業中に素早く配賦額を決めるため)

予定配賦率を先に設定すると、実際操業度に掛け合わせるだけで製造間接費を配賦でき、月次・日次の処理が安定します。

Q3. 予定配賦率で配賦した結果と実際製造間接費との差額はどう扱いますか?

  • A. 期末に過大・過少配賦として調整する
  • B. 材料副費に振り替える
  • C. 次期の予定製造間接費に足す
▼ 正答と解説を表示

正解:A(期末に過大・過少配賦として調整する)

予定配賦額と実際発生額との差は過大・過少配賦として整理し、必要に応じて損益計算書へ振り替えます。

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