売上原価

販売時に製品から振替え、売上高と同じ期間で利益を測るための原価です。

たとえば期首の製品が20万円、当期の製造原価が80万円、期末の製品が30万円なら、売上原価20+80−30=70万円になります。販売した分だけを費用化するため、期末に残っている製品分(30万円)は売上原価から差し引かれます。

考え方は「製品勘定の動き」です。期首+当期振入−期末=販売に対応した原価という関係が成り立つため、完成してもまだ売れていない分は売上原価に含めず、販売と同じ期間で利益を測れるようにします。

定義と見分け方

要点まとめ(20秒で要点)

見抜き方(第1・3問)

基本式

代表仕訳(販売時)

仕訳例(売上原価:販売時の振替)
販売時に 売上原価/製品 の振替。
日付 借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
5/1 売上原価 180,000 製品 180,000

会話で理解する:売上原価の振替

ユイ: 販売時の仕訳は、どんな意味ですか?

サクラ先生: 完成して製品にある原価を、売上高と同じ期間で利益を測るために売上原価へ移す処理です(売上原価/製品)。

ユイ: 先に確認する式はありますか?

サクラ先生: はい。売上原価期首製品+当期製造原価−期末製品。仕訳と式の対応を意識しましょう。

ポイント:販売時は売上原価/製品。期間対応が目的。

使いどころ

関連:販売費及び一般管理費/関連演習:第3問

ミニ問題(売上原価

選択肢から答えを選びましょう。正答と解説は「▼」を押すまで表示しません。

Q1. 製造業の売上原価の算式として正しいものはどれですか?

  • A. 期首製品棚卸高+当期製造原価−期末製品棚卸高
  • B. 期首仕掛品+直接材料費−期末仕掛品
  • C. 売上高−固定費
▼ 正答と解説を表示

正解:A(期首製品棚卸高+当期製造原価−期末製品棚卸高)

売上原価は期首と期末の製品棚卸高、そして当期製造原価から求めます。これにより当期に販売した製品の製造原価が把握できます。

Q2. 売上原価の算定で必要となる「当期製造原価」はどのように求めますか?

  • A. 期首仕掛品+当期製造費用−期末仕掛品
  • B. 直接材料費+販売費
  • C. 固定費変動費
▼ 正答と解説を表示

正解:A(期首仕掛品+当期製造費用−期末仕掛品

当期製造原価は期首仕掛品に当期発生の製造費用を加え、期末仕掛品を差し引いて計算します。売上原価計算の前段階です。

Q3. 売上原価が小さくなると損益計算書ではどうなりますか?

  • A. 売上総利益が増える
  • B. 営業外収益が増える
  • C. 販管費が減る
▼ 正答と解説を表示

正解:A(売上総利益が増える)

売上原価が小さくなれば売上総利益(粗利)が大きくなります。売上総利益=売上高−売上原価だからです。

用語集トップへ学習ガイドへ原価計算初級トップへ演習へ