総合原価計算

期間に発生した原価を数量で平均して単価を出す方法です。平均法と先入先出、それぞれの読み分けを身につけましょう。

例として、完成品400個・期末仕掛品200個(加工進捗50%)、当月の加工費80,000円なら、等価生産量(加工)=400+(200×50%)=500個分です。単位原価は 80,000÷500=160円/個分となり、この単価で完成品と期末仕掛品に配賦します。

考え方は「完成度の違いを等価生産量でそろえてから、単位原価を作り、数量に応じて配賦する」の順番です。平均法は期首を合算、先入先出法は期首を分離して扱います。

定義と見分け方

要点まとめ(20秒で要点)

見抜き方(第3問)

キーワード

総合原価計算の流れ 等価生産量→単位原価→配賦。平均は合算、先入先出法は分離の違いを示す。 等価生産量 単位原価 = 合計コスト÷等価生産量 完成品・期末仕掛へ配賦 平均法:期首も含めて合算 先入先出法:期首を分離して扱う

会話で理解する:平均と先入先出法の“読み筋”

ユイ: 用語は覚えたけれど、問題での読み方に迷います。

サクラ先生: まず等価生産量で数量を整え、合計コスト÷等価生産量=単位原価、最後に配賦の順です。平均法は期首を合算、先入先出法は期首を分離が合言葉。

ユイ: 何からメモすれば良いですか?

サクラ先生: 期末仕掛の数量進捗(材料/加工)。次に平均か先入先出法かを確認して、式を選びましょう。

ポイント:等価生産量→単位原価→配賦。平均=合算/先入先出法=分離。

即解ミニ例題(平均法の最小セット)

与件(加工費ベース):当月発生コスト¥80,000、期首仕掛0、完成品400個、期末仕掛200個(進捗50%)

等価生産量(加工)= 400+(200×50%)=500個分

単位原価(加工)= 80,000 ÷ 500 = ¥160/個分

→ 完成品加工費=160×400=64,000/期末仕掛加工費=160×100=16,000

ポイント:数字を縦に並べて「等価生産量→単価→配賦」の順に当て込み。

よくある誤り:材料と加工の等価生産量を混在させる/平均と先入先出法の違いを無視。必ず材料/加工を分け平均=合算/先入先出法=分離を口に出して確認。
関連ガイド:先入先出の読み分け
関連演習:第3問

ミニ問題(総合原価計算

選択肢から答えを選びましょう。正答と解説は「▼」を押すまで表示しません。

Q1. 総合原価計算に適した生産形態はどれですか?

  • A. 大量・連続生産で同種製品を作る場合
  • B. 受注生産で一品ごとに仕様が変わる場合
  • C. サービス業で案件単位に原価を把握する場合
▼ 正答と解説を表示

正解:A(大量・連続生産で同種製品を作る場合)

総合原価計算は大量・連続生産のように製品が均質な場合に、工程ごとに平均原価を算出する方式です。

Q2. 総合原価計算等価生産量を用いる理由はどれでしょうか。

  • A. 部分完成品完成品ベースに換算して平均原価を求めるため
  • B. 材料副費を識別するため
  • C. 販管費を部門別に集計するため
▼ 正答と解説を表示

正解:A(部分完成品完成品ベースに換算して平均原価を求めるため)

等価生産量を使うことで、完成度の異なる仕掛品完成品ベースに換算して平均原価を算出します。

Q3. 総合原価計算で工程別に原価を集計した結果は最終的にどこへ振り替えられますか?

  • A. 次工程の仕掛品または完成品
  • B. 販管費
  • C. 営業外費用
▼ 正答と解説を表示

正解:A(次工程の仕掛品または完成品

各工程の完成品原価は次工程の仕掛品完成品に振り替えられ、最終的には製品原価へとつながります。

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