売上高差異分析販売数量差異販売価格差異

予算実績差異分析のうち、売上高の差異を2つ(販売数量差異販売価格差異)に分けて確認します。

例:予算数量1,000個・予算単価500円、実際数量1,100個・実際単価480円なら、数量差異は(1,100−1,000)×500=+50,000円(有利)、価格差異は(480−500)×1,100=−22,000円(不利)、合計の売上高差異は+28,000円(有利)です。

考え方は「数量の違いは予算単価で、価格の違いは実際数量で」掛け合わせることです。2つに分けると、どこで差が生じたのかがはっきり見えます。

定義と見分け方

要点まとめ(20秒で要点)

見抜き方(第2問)

ざっくりの考え方

即解ミニ例題(10秒暗算)

与件:予算数量1,000個・予算単価¥500、実際数量1,100個・実際単価¥480

数量差異=(1,100 − 1,000) × 500 = ¥50,000 有利

価格差異=(480 − 500) × 1,100 = −¥22,000 不利

売上高差異=¥28,000 有利

ポイント:価格差異は実際数量、数量差異は予算単価を掛けます。

売上高差異=数量差異+価格差異
差異
数量差異(実際数量 − 予算数量)× 予算単価
価格差異(実際単価 − 予算単価)× 実際数量

会話で理解する:数量の差か、価格の差か

ユイ: 2つの差異が頭で混ざってしまいます。

サクラ先生: まず数量の差価格の差かを切り分けます。数量差異は「数量が違ったらどれだけ売上が違う?」、価格差異は「単価が違ったらどれだけ売上が違う?」です。

ユイ: 計算の掛け合わせは?

サクラ先生: 価格差異は(実際単価−予算単価)×実際数量。数量差異は(実際数量−予算数量)×予算単価が基本の見方です。

ポイント:まずは数量か価格かを口に出して区別。

よくある誤り:価格差異に予算数量を掛けてしまう/符号(有利・不利)の取り違え。価格差異×実際数量/数量差異×予算単価を口に出して確認しましょう。
関連ガイド:CVP分析損益分岐点分析
関連演習:第2問

ミニ問題(売上高差異分析

選択肢から答えを選びましょう。正答と解説は「▼」を押すまで表示しません。

Q1. 売上高差異を構成する2つの差異はどれですか?

  • A. 販売数量差異販売価格差異
  • B. 材料価格差異と材料数量差異
  • C. 労務賃率差異と労務能率差異
▼ 正答と解説を表示

正解:A(販売数量差異販売価格差異

原価計算初級では売上高の差異分析が対象です。販売数量差異は数量の違い、販売価格差異は単価の違いに起因する差です。

Q2. 販売価格差異の計算に掛け合わせる数量はどれでしょうか。

  • A. 実際販売数量
  • B. 予算販売数量
  • C. 両者の平均
▼ 正答と解説を表示

正解:A(実際販売数量)

販売価格差異=(実際単価−予算単価)×実際販売数量 と整理します。

Q3. 売上高差異で「有利差異」とはどのような状態を指しますか?

  • A. 実際売上高が予算売上高より大きい状態
  • B. 実際売上高が予算売上高より小さい状態
  • C. 実際売上高と予算売上高が一致した状態
▼ 正答と解説を表示

正解:A(実際売上高が予算売上高より大きい状態)

売上高差異における有利差異は、実際売上高が予算売上高を上回った状態を指します。

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