個別原価計算
製造指図書ごとに直接材料費・直接労務費・製造間接費を集計し、完成すれば製品へ、未完成なら月末仕掛品原価として残す方式です。注文・ロットごとの採算を把握できます。
基本情報
| 分類 | 製造指図書ごとに原価を集計する原価計算の方式 |
|---|---|
| 何を表すか | 注文・ロット単位で発生した直接材料費・直接労務費・製造間接費を、製造指図書ごとの原価計算表に集める方式 |
| 計算式(求め方) | 直接材料費・直接労務費は実際の消費額を賦課。製造間接費は予定配賦率×実際配賦基準量で配賦 |
| 使う場面 | 注文生産・多品種少量生産で、注文ごとの原価・採算を把握したいとき |
| 試験での問われ方 | 製造指図書ごとの原価計算表を完成させ、完成・販売・月末仕掛品への振り分けを問う出題 |
計算式・具体例
製造指図書#A102に、直接材料費10,000円・直接労務費8,000円・製造間接費(予定配賦率200円/時×直接作業時間40時間)を集計する場面です。
| 求めるもの | 式 | 数値例 |
|---|---|---|
| 指図書の原価計算表の合計 | 直接材料費+直接労務費+製造間接費(予定配賦率×実際配賦基準量) | 10,000+8,000+(200円/時×40時間=8,000)=26,000円 |
| 月末仕掛品原価 | 月末時点で未完成の指図書の原価計算表の集計額 | #A102が月末に未完成なら、そのまま26,000円が月末仕掛品原価 |
完成した指図書の原価はそのまま製品へ、販売した製品の原価は売上原価へ振り替えます。総合原価計算と違い、月末仕掛品原価は「未完成の指図書の集計額」としてそのまま読み取れます。
混同しやすい語との違い
- 原価カード — 注文ごとの「原価の履歴書」との違い:本語は個別原価計算という方式全体、job-cost-sheetはその記録に使う台帳(原価計算表)そのものです。
- 総合原価計算の型(単純/工程別/組別/等級別)との違い:個別原価計算は注文ごと、総合原価計算は期間でまとめて計算します。
- 手直し(再加工)費用の扱いとの違い:仕損が出た場合に補修指図書を発行して費用を集計する処理は、reworkで扱います。
試験でのよく問われ方
- 製造指図書ごとの原価計算表を完成させ、完成・未完成(月末仕掛品)を判定させる出題。
- 直接費は実際額、製造間接費は予定配賦額で記入する区別を問う出題。
- 仕損が出た場合は、補修指図書を発行して仕損費を計算する処理まで問われることがあります。
ミニ演習(2問・即時採点)
Q1. 個別原価計算で、直接材料費・直接労務費はどのように原価計算表へ記入しますか?(答えを見る)
実際に消費した金額をそのまま賦課します。予定配賦を使うのは製造間接費です。
Q2. 月末になっても完成していない指図書の原価計算表の集計額は、どう扱いますか?(答えを見る)
月末仕掛品原価としてそのまま残します。個別原価計算では、未完成の指図書の集計額がそのまま月末仕掛品原価になります。
関連
- ガイドで学ぶ:個別原価計算と仕損費
- 関連する用語:原価カード — 注文ごとの「原価の履歴書」/手直し(再加工)費用の扱い
- 解いて定着:個別原価計算ドリル