原価カード — 注文ごとの「原価の履歴書」

材料・労務・間接費を注文番号ごとに積み上げ、完成で製品へ振替。検査後の差異処理や当期損益への影響もここから見えます。

現場:注文 #A102 の材料と作業時間を登録しました。

経理:原価カードでは #A102 に材料・労務を直接載せ、間接費は予定配賦率で按分します。完成したら製品に振り替えます。

仕訳例

仕訳例(注文ごとの集計と振替)
日付借方科目借方金額貸方科目貸方金額
3/05仕掛品(#A102)200,000材料200,000
3/20仕掛品(#A102)150,000賃金150,000
3/31仕掛品(#A102)90,000製造間接費90,000
3/31製品440,000仕掛品(#A102)440,000
3/31製品18,200仕掛品(#A-0315)18,200

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現場エピソード:注文番号#A-0315(1,000枚)。原価台帳には、材料小麦粉25kg×120円/kg=3,000円、賃金成形6h×1,200円/h=7,200円、間接費機械時間40h×200円/h=8,000円が記録されました。

ハル:「個別原価計算では、こうして注文別に材料・労務・間接費を集計します。出荷後は製品原価台帳へ移して売上原価に繋げます」

椿先生:「正確な台帳のために、作業指示・実績の採番と紐づけが命です。数字が揃えば、見積・原価差異・値付け改善にすぐ効く資料になります。」

定義・判断の物差し

  1. あなたの現場の作業票に、不足している項目(例:ロットNo、機械時間、歩留)を1つ挙げて追加案を出しましょう。
  2. 間接費の配賦根拠を台帳に一言メモする運用を提案し、期待される効果を書きましょう。
  3. 注文#A-0315の原価は合計いくらですか?1枚あたりの原価も計算しましょう。

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