日商簿記3級 第3問|追加セット(決算整理後残高試算表 & 財務諸表)

第9セット(決算整理後残高試算表)

決算整理前残高試算表と整理事項をもとに、決算整理後残高試算表と当期純損益を求めます。税抜方式/仕入勘定法を採用します。

(1)決算整理前残高試算表(X8年3月31日)

単位:円(税抜/売上・仕入のみ)

主要勘定の残高
借方 勘定科目 貸方
120,000 現金
1,400,000 普通預金
520,000 売掛金
300,000 繰越商品
140,000 仮払消費税
900,000 備品
5,175,000 仕入
1,380,000 給料
900,000 支払家賃
60,000 通信費
40,000 旅費交通費
15,000 支払利息
買掛金 450,000
仮受消費税 640,000
借入金 1,200,000
備品減価償却累計額 160,000
資本金 2,000,000
繰越利益剰余金 500,000
売上 6,000,000
合計 10,950,000 10,950,000

(2)決算整理事項

  1. 現金実査で 116,000 円。差額 4,000 円のうち 2,000 円は通信費の記帳漏れ、残額 2,000 円は雑損失で処理。
  2. 期末商品棚卸高 360,000 円。期首繰越商品の戻入も含め、仕入勘定で売上原価を算定。
  3. 備品は耐用年数 5 年・残存価額 0 の定額法で減価償却。
  4. 仮受消費税と仮払消費税を相殺し、差額を未払消費税に振り替える(税抜方式)。

仕訳は入力不要です。整理後残高と当期純損益のみを求めます。

(解答欄)決算整理後残高試算表(X8年3月31日)

勘定科目は中央揃え/円単位で入力します。

決算整理後残高試算表
借方 勘定科目 貸方
現金
普通預金
売掛金
繰越商品
備品
買掛金
借入金
備品減価償却累計額
未払消費税
資本金
繰越利益剰余金
売上
仕入
給料
支払家賃
通信費
旅費交通費
支払利息
減価償却費
雑損失
合計
【第9セット】解き方と検算ポイント(クリックで展開)

この問題で先に確定するもの

第9セットは決算整理後残高試算表を完成させる問題ですが、最後が当期純損失になる点が特徴です。先に現金差額、棚卸、減価償却、消費税精算を固めて費用総額を確定すると、純損失の符号を迷わず入力できます。

解く順番

まず実際現金 116,000円との差額 4,000円を、通信費 2,000円と雑損失 2,000円に分けて処理します。次に棚卸差額を反映して売上原価 5,115,000円を確定し、期末繰越商品 360,000円を出します。そのあと備品の減価償却 180,000円、未払消費税 500,000円への振替を反映し、最後に売上 6,000,000円と費用合計 7,694,000円を比較して当期純損失 △1,694,000円を確定します。

正解の根拠

現金差額は原因が一部判明しているので、通信費と雑損失に分けて処理します。棚卸は仕入勘定法で計算し、売上原価 5,115,000円と期末繰越商品 360,000円を確定します。備品は年額 180,000円を償却して減価償却累計額を 340,000円とし、消費税は仮受 640,000円と仮払 140,000円の差額 500,000円を未払消費税に振り替えます。これらを反映すると費用合計が売上を上回るため、最終行は当期純利益ではなく △1,694,000円 の当期純損失になります。

よくある誤り

当期純損失の問題では、金額自体は合っていても符号を付け忘れるミスが多くなります。第9セットでは負数入力が必要なので、1,694,000 ではなく -1694000 のように損失として入力する必要があります。現金差額も通信費 2,000円と雑損失 2,000円の両方を入れないと費用合計がずれます。

最後の検算

売上原価 5,115,000円、未払消費税 500,000円、減価償却費 180,000円が反映されているかを確認したうえで、最終行が当期純損失 △1,694,000円になっているかを見直します。損失欄の符号まで含めて正しく入力できていれば、整理後残高試算表の借方合計と貸方合計が一致します。

3行検算

1. 通信費 2,000 円と雑損失 2,000 円で、現金差額 4,000 円が解消しているか確認します。

2. 売上原価 5,115,000 円、未払消費税 500,000 円、減価償却費 180,000 円が整理後残高へ入っているか見ます。

3. 最終行が当期純損失 -1,694,000 で、借方合計と貸方合計が一致すれば完成です。

第10セット(貸借対照表・損益計算書)

決算整理後の貸借対照表・損益計算書を作成します。控除項目はマイナスで入力してください。

(1)決算整理前残高試算表(X8年3月31日)

単位:円/税抜(売上・仕入のみ)

主要勘定の残高
借方 勘定科目 貸方
85,000 現金
2,081,000 普通預金
420,000 売掛金
180,000 受取手形
210,000 繰越商品
1,200,000 建物
600,000 備品
240,000 仮払消費税
3,100,000 仕入
1,100,000 給料
120,000 水道光熱費
64,000 通信費
18,000 支払利息
72,000 保険料
買掛金 350,000
借入金 600,000
仮受消費税 480,000
建物減価償却累計額 300,000
備品減価償却累計額 240,000
資本金 1,400,000
繰越利益剰余金 520,000
売上 5,600,000

(2)決算整理事項

  1. 期末商品棚卸高 260,000 円。仕入勘定法で売上原価を算定する。
  2. 建物は耐用年数 20 年、備品は 6 年(残存価額ゼロ)の定額法で減価償却。
  3. 現金の実査残高は 83,000 円。不足分は通信費として処理。
  4. 仮受消費税と仮払消費税の差額を未払消費税に振り替える(税抜方式)。
  5. 法人税等は 280,000 円を計上する。

(解答欄)貸借対照表(X8年3月31日)

控除科目はマイナス値で入力し、資産の部と負債・純資産の部の合計を一致させます。

貸借対照表
区分 金額 控除
現金
普通預金
受取手形
売掛金
商品
建物
減価償却累計額(建物)
備品
減価償却累計額(備品)
資産合計
買掛金
借入金
未払消費税
資本金
繰越利益剰余金
当期純利益
負債・純資産合計

(解答欄)損益計算書(X7年4月1日〜X8年3月31日)

損益計算書
科目 金額
売上高
売上原価
売上総利益
給料
水道光熱費
通信費
保険料
減価償却費
営業利益
支払利息
当期純利益
費用合計
収益合計
【第10セット】解き方と検算ポイント(クリックで展開)

この問題で先に確定するもの

第10セットは貸借対照表と損益計算書を作る問題で、しかも控除項目をマイナス入力する形式です。先に損益計算書側で売上原価、減価償却、現金差額、消費税精算、当期純利益を確定し、そのあと貸借対照表へつなぐと符号の混乱を防げます。

解く順番

まず期末商品 260,000円を反映して売上原価 3,050,000円を求めます。次に建物 60,000円、備品 100,000円の減価償却を計上し、現金不足 2,000円を通信費へ振り替えます。そのあと仮受消費税 480,000円と仮払消費税 240,000円の差額 240,000円を未払消費税へ振り替え、損益計算書から当期純利益 1,014,000円を確定します。最後にその利益を純資産へ反映し、控除項目をマイナスで入力して貸借対照表を仕上げます。

正解の根拠

棚卸は期末商品を費用から除いて資産へ残すため、売上原価は 3,050,000円になります。減価償却は建物 60,000円、備品 100,000円で、これらは費用計上と同時に累計額を増やします。現金不足 2,000円は通信費として処理し、消費税は仮受と仮払の差額 240,000円だけが未払消費税として残ります。これらを反映すると、売上高 5,600,000円 から費用合計 4,586,000円 を差し引いた当期純利益は 1,014,000円となり、貸借対照表の資産合計 4,124,000円 と負債・純資産合計が一致します。

よくある誤り

このセットで最も多いのは、減価償却累計額などの控除項目をプラスで入力してしまう誤りです。問題文どおり、控除項目はマイナス入力にする必要があります。損益計算書で当期純利益を確定する前に貸借対照表を埋め始めると、純資産の数字が定まらず崩れやすくなります。現金不足 2,000円も現金欄だけを修正して通信費を落とさないように注意します。

最後の検算

まず当期純利益 1,014,000円が損益計算書で確定しているかを確認し、その金額が純資産へ正しくつながっているかを見直します。さらに、建物・備品の減価償却累計額など控除項目がマイナスで入力されていること、資産合計 4,124,000円 と負債・純資産合計が一致していることまで確認できれば完成です。

3行検算

1. P/L の当期純利益 1,014,000 円が確定しているかを最初に確認します。

2. 建物・備品の減価償却累計額など控除項目がマイナス入力になっているかを見ます。

3. B/S の資産合計 4,124,000 円 と 負債・純資産合計 4,124,000 円 が一致すれば締めです。

※入力はすべて円単位・半角数字で行います。採点は整数一致で判定し、カンマ・空白・△表記は自動調整されます。
※貸借が一致しない場合は、整理仕訳の影響(特に棚卸・減価償却・消費税)を順に見直してみましょう。