有価証券の基礎

分類と評価替えの型を押さえ、仕訳と期末の表示へ結び付けていきましょう。

この章のゴール

  • 売買目的/満期保有の違いを説明できる
  • 評価替えの仕訳を正しく処理できる
  • 表示と評価差額の扱いを理解する

学ぶ順番

  1. 分類の確認
  2. 期末評価の仕訳
  3. 表示のつながり

本文骨子

1) 背景と全体像

短期売買を目的とする「売買目的有価証券」は、期末に時価評価し評価損益を当期損益へ反映します。満期保有目的債券償却原価法が基本です。

2) 典型仕訳(最小セット)

3) 表示とのつながり

売買目的の評価差額は P/L に直入されます。分類により表示区分が異なる点に注意します。

4) よくある誤り

仕訳の型を確認したら、ミニ問題C(有価証券) を解いて定着させましょう。

仕訳まとめ(評価・売却)

有価証券の仕訳まとめ
取引典型仕訳
時価上昇(評価益)売買目的有価証券 / 有価証券評価益
時価下落(評価損)有価証券評価損 / 売買目的有価証券
売却(益)当座預金 / 売買目的有価証券
有価証券売却益(差額)
売却(損)当座預金
有価証券売却損(差額)/ 売買目的有価証券

生徒:評価益・評価損と、売却益・売却損は何が違いますか。

先生:評価は保有中の時価変動、売却は手放したときの差額です。評価は「有価証券評価益/損」、売却は「有価証券売却益/損」を使い分けます。

生徒:分類(売買目的・満期保有)で扱いは変わりますか。

先生:はい。売買目的は時価評価、満期保有は償却原価法が基本です。まずは使う勘定科目の違いに注目して覚えましょう。

配当・利息(期中処理)

分類(売買目的/満期保有)にかかわらず、配当・利息は原則として当期の収益に計上します。

満期保有の利息法(メモ)

満期保有目的債券は原則「償却原価法」で処理します。期中の実効利息を収益に認識し、帳簿価額を償却で調整します(2級では詳細計算の出題頻度は限定的)。

まずはミニ問題

ミニ問題C(有価証券) で型を確認しましょう。

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