売買目的有価証券

定義:短期売買益を目的として保有する有価証券。使い所:期末に時価評価を行い、評価損益を当期損益に反映します。

仕訳例(売買目的有価証券)
日付借方科目借方金額貸方科目貸方金額
3/31売買目的有価証券50有価証券評価益50
3/31有価証券評価損30売買目的有価証券30

対話で深める:売買目的有価証券

現場設定(会社規模・締め日・回収サイト・税率・契約条項):

  • 会社規模:年商15億/従業員50名
  • 締め日:月末
  • 回収サイト:—
  • 税率:消費税対象外(金融取引)
  • 契約条項:売買目的/短期保有方針

現場エピソード(単位:万円・個・% など):

売買目的有価証券を120で購入。期末時価が125なら評価差益5を認識(売買目的)。満期保有目的は償却原価法が原則です。

ユイ:数字があると、判断が速くなりますね。つまり「何に対して」「どの率で」「差額か総額か」を決めれば迷いにくい、ということですか?

先生:その通りです。定義と役割をまず言語化し、次に場面を特定、最後に金額の型(基礎×率か、差額か)に当てはめます。上のエピソードも、同じ手順で処理できます。

ユイ:試験で混乱したら、性格→場面→金額の順に自分へ問いかけます。

先生:仕訳を書いたあと、30秒で口頭説明できるかをチェックしましょう。説明できれば再現性があります。

判断基準とチェック
  • 売買目的:期末時価評価
  • 満期保有目的:償却原価法
  • 子会社・関連会社株式は原則時価評価しない
  • 30秒で説明:何が起きて、どの基礎×率(または差額)で、なぜその相手科目か
  • チェック質問:締め日と回収/支払サイトは?請求日と入出金日のズレは?
  • チェック質問:税率や非課税・免税の適用は?端数処理は指示どおり?
  • チェック質問:契約条項(検収・返品・遅延利息・前受/割賦)はどう指示されている?

関連:物語 物語03:有価証券(売買目的・満期保有・売却) / ガイド 有価証券の基礎