仕損・減損と度外視法
工程で発生する仕損・減損のうち、避けられない範囲の正常仕損・正常減損は良品の原価に含めます。2級ではその計算方法である度外視法を扱います。
基本情報
| 分類 | 正常な範囲の仕損・減損を、良品(完成品・月末仕掛品)の原価に含める計算方法 |
|---|---|
| 何を表すか | 度外視法=仕損・減損への原価を別建てで計算せず、良品にまとめて負担させる方法 |
| 計算式(求め方) | 単価=(完成品+仕損+月末仕掛品の完成品換算量)で計算し、発生点を月末仕掛品が通過していなければ完成品のみ負担、通過していれば完成品と月末仕掛品の両者負担 |
| 使う場面 | 総合原価計算で正常仕損・正常減損が発生したとき、良品への負担先と単価を決める場面 |
| 試験での問われ方 | 仕損の発生点と月末仕掛品の進捗を比較させ、負担先(完成品のみか両者か)を判定させたうえで単価・原価を計算させる出題 |
計算式・具体例
当月投入1,100個・完成1,000個・月末仕掛品50個(加工進捗40%)で、工程の終点に正常仕損50個が発生した場面です(材料は始点一括投入、材料費660,000円・加工費535,000円)。
| 求めるもの | 式 | 数値例 |
|---|---|---|
| 完成品換算量(材料・加工費) | 完成+仕損(発生点の進捗)+月末仕掛品(進捗度) | 材料:1,000+50+50=1,100個、加工:1,000+50(終点発生で進捗100%)+20(50×40%)=1,070個分 |
| 完成品原価(仕損負担込み)・月末仕掛品原価 | 単価×(完成+仕損)、単価×月末仕掛品換算量 | 完成:材料(1,000+50)×600+加工(1,000+50)×500=630,000+525,000=1,155,000円。月末:材料50×600+加工20×500=40,000円 |
仕損の発生点を月末仕掛品が通過していなければ完成品のみ負担、通過していれば完成品と月末仕掛品の両者負担になります。仕損品の原価をいったん分離して把握する非度外視法や、異常仕損費・異常減損費の処理は1級の範囲です。
混同しやすい語との違い
- 手直し(再加工)費用の扱いとの違い:本語は総合原価計算での仕損の扱い、reworkは個別原価計算で補修により合格品にできる場合の処理です。
- 異常仕損 — 製造原価に含めない損耗との違い:正常仕損・正常減損は良品の原価に含めますが(2級)、異常仕損の処理は1級の範囲です。
- 平均法と先入先出法との違い:平均法・先入先出法は月初仕掛品原価の扱い方、本語は仕損・減損が出たときの負担先の決め方です。
試験でのよく問われ方
- 仕損の発生点(工程の途中・終点)と月末仕掛品の進捗を比較させ、負担先を判定させる出題。
- 度外視法で完成品換算量・単価・完成品原価を計算させる出題。
ミニ演習(3問・即時採点)
Q1. 正常仕損・正常減損の原価は、どう扱いますか?(答えを見る)
良品(完成品・月末仕掛品)の原価に含めます。工程上不可避のコストなので、良品を作るために必要な原価として負担させます。
Q2. 仕損の発生点を月末仕掛品がまだ通過していない場合、仕損費用はどこが負担しますか?(答えを見る)
完成品のみです。発生点をまだ通過していない月末仕掛品には仕損の原価はかかりません。
Q3. 仕損品の原価をいったん分離して把握する非度外視法は、2級・1級のどちらの範囲ですか?(答えを見る)
1級の範囲です。2級では度外視法だけを扱います。
関連
- ガイドで学ぶ:総合原価計算(等級別・組別・工程別)
- 関連する用語:手直し(再加工)費用の扱い/異常仕損 — 製造原価に含めない損耗
- 解いて定着:仕損ドリル