製造間接費

工場の電力費・減価償却費・間接工の賃金など、共通に発生する費用を配賦基準で按分します。

例:期首の見積りで製造間接費600,000円、予定直接作業時間3,000時間なら予定配賦率は200円/時です。ある製品で実績4時間なら配賦額は200×4=800円を加算します。

考え方は、個別に追跡できない費用を「因果関係の強い基準」に従って公平に分けることです。期間中は率×実績で配賦し、期末に過大・過少配賦を調整します。

定義と見分け方

要点まとめ(20秒で要点)

見抜き方(第2・3問)

よくある誤り:工場の費用を販管費に入れてしまう/配賦基準を「因果関係」ではなく“慣例”で選ぶ。→ 場所(工場/営業)因果が最も強い軸をまず確認しましょう。

配賦基準の選び方

配賦の型:予定配賦率→配賦額→調整 予定配賦率=予定製造間接費÷予定基準量、配賦額=予定配賦率×実績基準量、期末に過大・過少配賦を調整 予定配賦率 = 予定製造間接費 ÷ 予定基準量 配賦額 = 予定配賦率 × 実績基準量 期末:過大・過少を調整

会話で理解する:見えないコストを合理的に分ける

ユイ: 製造間接費は、なぜ「配賦」する必要があるのですか?

サクラ先生: 個々の製品に直接は追跡できない費用だからです。だからこそ、影響が強い基準(時間・材料費など)で合理的に分けます。

ユイ: 基準はどう選べばいいですか?

サクラ先生: 「この費用は何に比例して増えるのか?」を問い、因果関係が一番強い軸を選びます。答えを言葉で説明できれば正解です。

ポイント:直接追跡不可→基準で配賦。因果で選ぶ。

関係する用語

関連ガイド:配賦基準の選び方
関連演習:第2問第3問

ミニ問題(製造間接費

選択肢から答えを選びましょう。正答と解説は「▼」を押すまで表示しません。

Q1. 製造間接費の説明として正しいものはどれですか?

  • A. 製品に直接追跡できない製造関連費用
  • B. 販管費のことを指す
  • C. 直接材料費と同義である
▼ 正答と解説を表示

正解:A(製品に直接追跡できない製造関連費用)

製造間接費は個々の製品に直接追跡できない間接費で、工場の減価償却費や電力費などが該当します。

Q2. 次のうち製造間接費に含めるのが適切なのはどれでしょうか。

  • A. 工場全体の照明費
  • B. 製品A専用の材料費
  • C. 営業部門の旅費交通費
▼ 正答と解説を表示

正解:A(工場全体の照明費)

工場全体で使用する照明費は個別製品に直接ひも付かないため製造間接費となります。

Q3. 製造間接費の配賦を迅速に行うために用いられる仕組みはどれですか?

  • A. 予定配賦率による配賦
  • B. 直接作業時間の実績記録をやめる
  • C. 売価還元法を適用する
▼ 正答と解説を表示

正解:A(予定配賦率による配賦)

予定配賦率を使うと操業中に迅速に配賦でき、期末に過大・過少配賦で調整します。

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