工場会計の独立
工場会計の独立は、工場の規模が大きくなったときに、工場の帳簿を本社の帳簿から切り離す仕組みです。工場側には材料・賃金・製造間接費・仕掛品・製品など製造に関する勘定を置き、本社側にはそれ以外の勘定を残します。帳簿をまたぐ取引は、工場側の「本社」勘定と本社側の「工場」勘定で結びます。
基本情報
| 分類 | 工場の帳簿を本社の帳簿から切り離したときに、帳簿をまたぐ取引をつなぐ勘定 |
|---|---|
| 増えるとき | 工場側で本社にしかない勘定(買掛金・現金など)が絡む取引が発生したとき(工場側「本社」勘定・本社側「工場」勘定が増加) |
| 減るとき | 本社・工場間の取引が続き、貸し借りを相殺する処理をしたとき |
| 代表的な相手科目 | 材料・賃金(工場側)/買掛金・現金(本社側) |
| 試験での問われ方 | 本社・工場それぞれの帳簿に分けて仕訳を書かせ、本社勘定・工場勘定の残高一致を確認させる出題 |
仕訳例
材料3,000円を掛けで購入し、工場の倉庫で受け入れた場面です(材料勘定は工場、買掛金勘定は本社に置きます)。
| 日付 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 6/5〔工場側〕 | 材料 | 3,000 | 本社 | 3,000 |
| 6/5〔本社側〕 | 工場 | 3,000 | 買掛金 | 3,000 |
工場は材料という資産を受け取りましたが買掛金勘定は本社にしかないため、貸方を「本社」で受けます。本社は買掛金を計上しつつ、借方を「工場」で受けます。取引が増えるほど、本社側「工場」勘定(借方残高)と工場側「本社」勘定(貸方残高)は貸借逆向きで同額になります。
混同しやすい語との違い
- 仕掛品 — 材料・労務・間接費の受け皿との違い:本語(工場会計の独立)は本社と工場で帳簿そのものを分けるかどうかという論点、仕掛品はその帳簿の中に置かれる勘定そのものです。
- 製造原価報告書との違い:製造原価報告書は工場で発生した原価を集計する報告書、本語はその工場の帳簿を本社の帳簿から独立させるかどうかという帳簿組織の論点です。
試験でのよく問われ方
- 取引が本社側・工場側どちらの帳簿の仕訳かを判定させ、本社勘定・工場勘定を使って仕訳を書かせる出題。
- 本社勘定・工場勘定の残高が貸借逆向きで一致することを確認させる出題。
ミニ演習(3問・即時採点)
Q1. 工場の帳簿だけに置く勘定として適切なのはどれですか?(答えを見る)
材料です。工場側には材料・賃金・製造間接費・仕掛品・製品といった製造に関する勘定を置きます。買掛金・現金など、それ以外の勘定は本社側に残します。
Q2. 材料3,000円を掛けで購入し、工場の倉庫で受け入れたとき、工場側の仕訳はどれですか?(答えを見る)
(借)材料3,000/(貸)本社3,000です。買掛金勘定は本社にしかないため、工場側は貸方を「本社」で受けます。
Q3. 本社側の「工場」勘定残高が借方5,000円のとき、工場側の「本社」勘定残高はどうなりますか?(答えを見る)
貸方5,000円です。本社勘定と工場勘定は貸借が逆向きで必ず一致します。
関連
- ガイドで学ぶ:勘定連絡図と工業簿記の構造
- 関連する用語:仕掛品 — 材料・労務・間接費の受け皿/製造原価報告書
- 解いて定着:ミニ問題(勘定連絡・振替の基本)