仕掛品 — 材料・労務・間接費の受け皿
仕掛品は、材料費・労務費・製造間接費が集まる「受け皿」の勘定です。完成した分は製品へ振り替え、未完成の分は月末仕掛として仕掛品に残ります。勘定連絡図でいえば、材料・賃金・製造間接費と製品のあいだをつなぐ中心の勘定です。
基本情報
| 分類 | 材料費・労務費・製造間接費が集まり、完成時に製品へ振り替わる勘定 |
|---|---|
| 増えるとき | 直接材料費・直接労務費の消費、製造間接費の配賦を仕掛品へ計上したとき |
| 減るとき | 完成品の原価を製品勘定へ振り替えたとき |
| 代表的な相手科目 | 材料・賃金・製造間接費(借方)/製品(貸方) |
| 試験での問われ方 | 材料・労務・間接費の消費仕訳と、完成時の仕掛品→製品の振替仕訳を書かせる出題 |
仕訳例
材料の消費800円・直接労務費の消費600円が仕掛品に集まり、完成時に1,600円で製品へ振り替わる場面です(勘定連絡図の数値例と同じ前提)。
| 日付 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 3/10 | 仕掛品 | 800 | 材料 | 800 |
| 3/20 | 仕掛品 | 600 | 賃金 | 600 |
| 3/31 | 製品 | 1,600 | 仕掛品 | 1,600 |
製造間接費400円も同じ形(借方仕掛品/貸方製造間接費)で仕掛品へ加わります。仕掛品の借方合計800+600+400=1,800円のうち、完成した1,600円が製品へ振り替わり、残り200円は月末仕掛として仕掛品に残ります。
混同しやすい語との違い
- 製造原価報告書との違い:本語は勘定そのもの、製造原価報告書はその仕掛品勘定の中身を報告書の形式に書き直したものです。
- 工場会計の独立との違い:本語は工場内の仕掛品勘定そのものの動き、factory-accountingは本社と工場で帳簿を分けたときに使う本社勘定・工場勘定の記帳です。
- 工程間振替 — 次工程へ原価をバトンパスとの違い:工程間振替は複数工程に分かれる場合の前工程費の引き継ぎ、本語は単一の仕掛品勘定における材料・労務・間接費の集計と完成の流れです。
- 完成品換算量との違い:完成品換算量は月末仕掛品を含めた数量の換算方法、本語はその評価を反映した勘定そのものです。
試験でのよく問われ方
- 材料・労務・製造間接費の消費仕訳と、仕掛品→製品の完成時振替仕訳を書かせる出題。
- 仕掛品勘定の「期首+当期の増加−完成=期末残高」をボックス図で計算させる出題。
ミニ演習(3問・即時採点)
Q1. 仕掛品勘定の借方に計上されるのはどれですか?(答えを見る)
直接材料費・直接労務費・製造間接費の配賦額です。完成した分は貸方から製品へ振り替わります。
Q2. 製品が完成したときの仕訳はどれですか?(答えを見る)
(借)製品/(貸)仕掛品です。原価の行き先(製品)が借方、出どころ(仕掛品)が貸方になります。
Q3. 仕掛品の借方合計が1,800円・完成品原価が1,600円のとき、月末の仕掛品残高はいくらですか?(答えを見る)
200円です。1,800円のうち完成した1,600円が製品へ振り替わり、残り200円が月末仕掛として仕掛品に残ります。
関連
- ガイドで学ぶ:勘定連絡図と工業簿記の構造
- 関連する用語:製造原価報告書/工場会計の独立/材料副費とは?買入運賃などの扱い/労務費の内訳(直接/間接・割増賃金等)
- 解いて定着:ミニ問題(勘定連絡・振替の基本)