フレキシブル予算 — 「実際操業度で作り直す」予算
フレキシブル予算は、固定費は一定・変動費は操業度に比例するという前提で、実際操業度に合わせて作り直した予算です。実際発生額と比べることで、操業度の影響を除いた予算差異を計算できます。製造間接費差異の三分法・四分法は、このフレキシブル予算(予算許容額)が出発点になります。
基本情報
| 分類 | 製造間接費の差異分析で使う、実際操業度に応じて作り直した予算(公式法変動予算) |
|---|---|
| 何を表すか | 実際操業度における「使ってよい予算額(予算許容額)」 |
| 計算式(求め方) | 予算許容額=変動費率×実際操業度+固定費予算額 |
| 使う場面 | 製造間接費の予算差異を計算するとき、実際発生額と比べる相手を作る場面 |
| 試験での問われ方 | 変動費率・固定費予算額・実際操業度から予算許容額を計算させ、実際発生額と比較して予算差異を求めさせる出題 |
計算式・具体例
変動費率300円/時・固定費予算額200,000円・実際操業度1,050時間・実際発生額525,000円の場面です。
| 求めるもの | 式 | 数値例 |
|---|---|---|
| 予算許容額 | 変動費率×実際操業度+固定費予算額 | 300円/時×1,050時間+200,000円=515,000円 |
| 予算差異 | 予算許容額−実際発生額 | 515,000円−525,000円=10,000円の不利 |
予算許容額は、基準操業度ではなく実際操業度で作り直す点がポイントです。基準操業度で計算すると、操業度のズレの影響が予算差異に混ざってしまいます。
混同しやすい語との違い
- 操業度差異とは?との違い:フレキシブル予算(予算許容額)は予算差異を計算するための基準、操業度差異は固定費の吸収状況を見る別の差異です。
- 三差異法/四差異法(製造間接費の差異)との違い:フレキシブル予算はその計算の土台(予算許容額)、three-four-varianceは差異を何項目に分けるかという方法です。
- 標準原価計算の差異(材料・労務・間接費)との違い:本語は製造間接費差異を計算する土台の1つ、標準原価計算の差異は材料・労務・間接費をまとめた総称です。
試験でのよく問われ方
- 変動費率・固定費予算・実際操業度から予算許容額を計算させ、実際発生額との差(予算差異)を求めさせる出題。
- 三分法・四分法の入口として、予算差異の計算に予算許容額を使わせる出題。
ミニ演習(3問・即時採点)
Q1. 予算許容額の式はどれですか?(答えを見る)
変動費率×実際操業度+固定費予算額です。実際の操業度に応じて予算を作り直します。
Q2. 変動費率300円/時・固定費予算200,000円・実際操業度1,050時間のとき、予算許容額はいくらですか?(答えを見る)
515,000円です。300円/時×1,050時間+200,000円=515,000円になります。
Q3. 予算許容額515,000円・実際発生額525,000円のとき、予算差異はどう判定しますか?(答えを見る)
10,000円の不利です。515,000円−525,000円=△10,000円で、実際発生額の方が多いため不利差異です。
関連
- ガイドで学ぶ:標準原価計算と差異分析
- 関連する用語:三差異法/四差異法(製造間接費の差異)/操業度差異とは?/標準原価計算の差異(材料・労務・間接費)
- 解いて定着:標準原価計算ドリル