フレキシブル予算 — 「実際操業度で作り直す」予算

固定費は一定、変動費は操業度に比例。これを使って実際操業度の線上にある予算を作り、差異を分解します。

原価管理:費用が増えたのは「価格」か「数量」か、それとも「操業度」か。ここを切り分けたいのです。

経理:だからフレキシブル予算で比較対象を揃え、予算差異能率差異操業度差異に分けるんですね。

計算票(例)

フレキシブル予算の骨子
区分
変動費予算変動費率 × 実際操業度
固定費予算期間固定額(一定)
合計予算上記の合計

仕訳例

差異は原因別に把握し、期末に整理(例)。

仕訳例(予算差異・能率差異 等の整理)
日付借方科目借方金額貸方科目貸方金額
3/31製造間接費差異10,000製造間接費10,000
3/31当期損益10,000製造間接費差異10,000
3/31当期損益12,000製造間接費差異12,000

関連ページ

対話で理解しよう — フレキシブル予算で公正評価

現場エピソード:基準操業度1,500MH、実際は1,650MH。固定費300,000円、変動間接費は120円/MHと設計しています。

ハル:「フレキシブル予算なら、実際操業度での許容額は300,000+120×1,650=498,000円。実際510,000円なら12,000円不利です」

椿先生:「その通り。操業度差を取り除くことで、純粋な価格・効率の差が見やすくなります。」

定義・判断の物差し

  1. あなたの部門の固定/変動の仮説(費目と率)を書きましょう。
  2. 今月の実績を実際操業度に直した許容額を試算しましょう。
  3. 差が出た場合、価格/効率のどちらから先に着手しますか?理由を一言で。

次に読む