標準原価計算の差異(材料・労務・間接費)

区分→計算→読み解きの順で、差異のを定着させていきましょう。

材料・労務の差異

代表的な差異(材料・労務)
区分式(概念)方向の読み方
材料価格差異(実際価格 − 標準価格)× 実際数量実際価格が高いと不利
材料数量差異(実際数量 − 許容標準数量)× 標準価格実際数量が多いと不利
労務レート差異(実際賃率 − 標準賃率)× 実際時間実際賃率が高いと不利
労務能率差異(実際時間 − 許容標準時間)× 標準賃率実際時間が多いと不利

製造間接費の差異(二分法)

間接費差異の分解(二分法)
区分式(概念)メモ
予算差異実際発生額 − 予算許容額固定費の単純な増減等
能率差異配賦標準額 − 実際配賦額(または許容標準 × 標準配賦率 − 実際基準量 × 標準配賦率)基準量の差の影響

操業度(固定費の吸収状況)は 操業度差異 を参照してください。

関連リンク

対話で理解しよう — 標準原価差異を読む

現場エピソード:材料は価格2,080円有利数量1,000円不利、労務は賃率26,000円有利能率24,000円不利。間接費は操業度30,000円不利でした。

ハル:「差異の符号原因が見えました。購買単価と工程能率のどちらを先に手当てするか、優先順位が付きます」

椿先生:「標準原価計算の価値は、『どこが何円ズレたか』を責任と行動に繋げられること。フレキシブル予算も併用しましょう。」

定義・判断の物差し

  1. あなたの差異上位2つを挙げ、来月までに改善できる行動を各1つ書きましょう。
  2. 差異の再現性(偶然か恒常か)を見極めるための指標を1つ決めましょう。
  3. 差異の共有に使う掲示フォーマット(三行サマリ)を作ってみましょう。

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