三差異法/四差異法(製造間接費の差異)

「予算差異・能率差異・操業度差異(+二次差異)」に分けると、原因と対策が見えてきます。

用語のまとまり

三差異/四差異(概念)
差異意味
予算差異実際発生額 − 予算額(能率の影響を除いた費用差)
能率差異実際操業度 − 許容標準操業度(変動費中心の効率差)
操業度差異許容標準操業度 − 基準操業度(固定費の吸収度合い)
(四差異法の二次差異)固定費/変動費の分離や遅延で追加的に把握する差異

読み方のヒント

数値例(計算の手順)

前提(1か月)
項目
変動費率(予算)120円/MH
固定費(予算)300,000円
基準操業度(分母)1,500MH
固定費率(予定)200円/MH(= 300,000 ÷ 1,500)
予定配賦率(合計)320円/MH(= 120 + 200)
許容標準操業度(SH)1,600MH
実際操業度(AH)1,450MH
実際発生額(合計)510,000円(変動190,000+固定320,000)
差異の計算(例)
差異計算結果
実際操業度予算120×1,450+300,000474,000
許容標準操業度予算120×1,600+300,000492,000
予算差異510,000 − 474,00036,000(不利)
能率差異474,000 − 492,00018,000(有利)
操業度差異(固定費の吸収)200×(1,500 − 1,600)20,000(有利)
チェック(合計=配賦差異)
比較結果
予定配賦額320×1,600 = 512,000
配賦差異(実際 − 予定配賦)510,000 − 512,000 = −2,000(有利)
差異の合計36,000(不利)−18,000(有利)−20,000(有利)= −2,000(有利)

用語や符号(有利/不利)の表し方は教材や問題の指示に従います。ここでは「比較して増えている=不利」として読んでいます。

用語の言い換え(混乱防止)

差異の呼び名(よくある言い換え)
このサイト別名(例)押さえるポイント
予算差異支出差異費目の「単価・使い方」側(支出管理)
能率差異効率差異標準操業度との差(現場の効率)
操業度差異稼働差異固定費がどれだけ吸収できたか(稼働・能力)
二次差異(四差異法の追加差異)固定/変動の分離などで追加的に把握する差

表し方(有利/不利、借方/貸方)は問題の指示に従います。ここでは対話中の数値を符号つきで置いています。

対話で理解しよう — 三差異・四差異で原因を特定

現場エピソード:今月の配賦差異は2,000円(有利)でした。中身を見ると、予算差異36,000円(不利)が出る一方で、能率差異18,000円(有利)と操業度差異20,000円(有利)で相殺されていました。

ハル:「合計だけだと“有利”に見えますが、内訳では支出が膨らんでいる可能性があるので、改善点が見つかります」

椿先生:「その視点が大切です。差異は“良い/悪い”より、原因の当たりを付けるための道具。まずは予算差異(支出側)から追いましょう。」

定義・判断の物差し

  1. 直近の差異から、操業度が主因かどうかを1行の根拠で書きましょう。
  2. 四差異で掘る価値がある費目を1つ挙げ、仮説を書きましょう。
  3. 来月の操業度改善に直結する施策を1つ提案しましょう。

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