単価変更と損益分岐点
販売単価や費用が変わったとき、損益分岐点が上がるか下がるかを貢献利益から判断します。
この単元で身につくこと
- 単価変更後の単位貢献利益を計算できます。
- 単価・単位変動費・固定費の変化が損益分岐点へ与える方向を判断できます。
- 計算し直さなくても、分子と分母の変化から上昇・低下を見分けられます。
まず結論:単位貢献利益が増えれば損益分岐点は下がる
損益分岐点数量は「固定費÷単位貢献利益」です。固定費が同じなら、販売単価が上がって単位貢献利益が増えるほど、少ない販売数量で固定費を回収できます。
| 変わる条件 | 貢献利益への影響 | 損益分岐点 |
|---|---|---|
| 販売単価が上がる | 単位貢献利益が増える | 低下する |
| 単位変動費が上がる | 単位貢献利益が減る | 上昇する |
| 固定費が上がる | 分子が増える | 上昇する |
販売単価を変更したときの判断
単位貢献利益は「販売単価−単位変動費」です。単位変動費と固定費が変わらない条件で販売単価を上げると、単位貢献利益と貢献利益率が上がり、損益分岐点は下がります。
たとえば、販売単価1,200円、単位変動費720円なら単位貢献利益は480円です。単価だけを1,320円へ上げると、単位貢献利益は600円になります。固定費720,000円なら、損益分岐点数量は1,500人から1,200人へ低下します。
公式サンプルでも、販売単価を引き上げたときに損益分岐点が上昇・低下・不変のどれになるかを判断する設問が示されています。
変動費・固定費が変わったときの判断
- 単位変動費が上がる:単位貢献利益が減るため、損益分岐点は上昇します。
- 単位変動費が下がる:単位貢献利益が増えるため、損益分岐点は低下します。
- 固定費が上がる:回収すべき金額が増えるため、損益分岐点は上昇します。
- 固定費が下がる:回収すべき金額が減るため、損益分岐点は低下します。
条件が複数同時に変わる場合は方向だけで決めず、変更後の数値で損益分岐点を計算し直します。
例題で型をつかむ
販売単価2,000円、単位変動費1,200円、固定費320,000円です。販売単価だけを2,200円へ引き上げると、損益分岐点数量はどう変わりますか。
- 変更前の単位貢献利益:2,000円−1,200円=800円。
- 変更前の損益分岐点数量:320,000円÷800円=400個。
- 変更後の単位貢献利益:2,200円−1,200円=1,000円。
- 変更後の損益分岐点数量:320,000円÷1,000円=320個。
単価だけが上がると単位貢献利益が増えるため、損益分岐点は400個から320個へ低下します。
よくあるミス
ミニ演習(4問・即時採点)
Q1. 他の条件が同じで販売単価が上がると、損益分岐点はどうなりますか?(答えを見る)
単位貢献利益が増えるため、損益分岐点は低下します。
Q2. 他の条件が同じで単位変動費が上がると、損益分岐点はどうなりますか?(答えを見る)
単位貢献利益が減るため、損益分岐点は上昇します。
Q3. 他の条件が同じで固定費が下がると、損益分岐点はどうなりますか?(答えを見る)
回収すべき固定費が減るため、損益分岐点は低下します。
Q4. 単価と費用が同時に変わる場合はどう確認しますか?(答えを見る)
変更後の単位貢献利益と固定費を使って損益分岐点を計算し直します。
損益分岐点数量は固定費÷単位貢献利益です。販売単価が上がる、または単位変動費が下がると単位貢献利益が増え、損益分岐点は低下します。固定費が増えると損益分岐点は上昇します。次は、予算と実績の売上高差異を確認します。