固定費の集計
月額で一定の費用をすべて足し、固定費合計を算出します。人件費でも稼働に比例する部分は変動費として扱います。
売上高と費用の関係を直線でとらえ、第2問の損益分岐点を自信を持って解けるようにします。
公式サンプルでは、固定費の集計→変動費の計算→貢献利益→損益分岐点→安全余裕率→価格改定の影響という流れで設問が構成されていました。
月額で一定の費用をすべて足し、固定費合計を算出します。人件費でも稼働に比例する部分は変動費として扱います。
貢献利益=売上高−変動費。営業利益=貢献利益−固定費。目標利益は固定費+目標利益を貢献利益率で割ると求められます。
損益分岐点売上高=固定費 ÷ 貢献利益率、安全余裕率=(実際売上−損益分岐点)/実際売上。値上げ・値下げの効果もここから判断します。
データは「日商簿記 原価計算初級 第2問 詳細分析レポート」を参照しています。
単価 10,000円、単位変動費 4,000円、固定費 1,800,000円 のケースを例に、損益分岐点の図を描いています。このときの損益分岐点は次の順で求められます。
ユイ: グラフから何を読み取ればよいですか?
サクラ先生: 売上線と総費用線の交点=損益分岐点、右側が利益領域です。単価・変動費・固定費の関係を、数式と図で両面から確認します。
ユイ: 計算の出発点は?
サクラ先生: 貢献利益=売上−変動費と貢献利益率。そこから分岐点(固定費÷率)へつなげましょう。
ポイント:図と式をセットで読む。
読み取りのコツ(3ステップ)
図の例では損益分岐点数量は 300 単位(固定費 180 万円 ÷ 単位貢献利益 6,000円)、損益分岐点売上高は 300 万円です。計画数量が 600 単位なので、安全余裕幅は 300 単位、安全余裕率は (600 − 300) ÷ 600 = 50% です。
営業利益は 売上高 600 万円 − 総費用 420 万円 = 180 万円。これは (実際数量 − 損益分岐点数量)× 単位貢献利益 = 300 × 6,000円 = 1,800,000円 でも確認できます。
数量に比例する支出は変動費、一定額で発生する支出は固定費です。人件費でも稼働時間に応じて支払われる部分は変動費として扱います。
損益分岐点売上高=固定費 ÷ 貢献利益率、損益分岐点数量=固定費 ÷(単価−単位変動費)です。ノート冒頭に公式を書き出しておくと安心です。
実際売上が損益分岐点よりどれだけ離れているかを示す指標です。値が小さいほど利益が不安定なので、固定費削減や単価見直しを検討します。