損益分岐点とは?

損益分岐点は、売上と費用がちょうど同じになる点です。まずは 固定費変動費貢献利益 の3つを分けて考えると、第2問の計算が追いやすくなります。

先に覚える3つ

この3つを言い換えられるだけで、損益分岐点の式がかなり読みやすくなります。

第2問の攻略ステップ

第2問は、固定費を出す → 変動費を出す → 貢献利益を出す → 損益分岐点を出す、の順で考えると追いやすいです。

固定費の集計

毎月ほぼ同じ金額で出る費用を足して、固定費の合計を出します。人件費でも、生産量で増減する部分は変動費です。

貢献利益と利益計画

貢献利益は「売上高 − 変動費」です。さらに 固定費 を引くと営業利益になります。目標利益があるときは、固定費に目標利益を足してから考えます。

損益分岐点と安全余裕率

損益分岐点売上高は「固定費 ÷ 貢献利益率」で出します。安全余裕率は、実際売上が損益分岐点よりどれだけ上かを見る指標です。

データは「日商簿記 原価計算初級 第2問 詳細分析レポート」を参照しています。

損益分岐点の公式を確認する

用語の整理

  • 固定費: 生産量に関わらず一定の費用。
  • 変動費: 生産量に比例して増減する費用。
  • 貢献利益: 売上高 − 変動費(単位ベースなら 単価 − 単位変動費)。
  • 貢献利益率: 貢献利益 ÷ 売上高。

基本式

  • 損益分岐点数量:固定費 ÷(販売単価 − 単位変動費
  • 損益分岐点売上高:固定費 ÷ 貢献利益率
  • 安全余裕率:(実際売上高 − 損益分岐点売上高)÷ 実際売上高
単位あたりで考えるか、比率で考えるかを明確にしましょう。

使い所(例)

  • 価格改定やコストダウンの影響を素早く試算する。
  • 生産量の計画(最低限必要な販売数量の見積り)。
  • 固定費投資(設備更新)の意思決定に向けた目線づくり。

よくあるミス

  • 固定費に変動要素を混ぜる(費用の性格を再点検)。
  • 複数製品のミックスを固定として扱ってしまう。
  • 税・金融費用・非線形要素を含めて解釈してしまう(基礎段階では線形前提)。

図解:CVPの計算順

CVP分析の計算順を示す図 単価、変動費、固定費から貢献利益を求め、損益分岐点、安全余裕率、目標利益へつなげる順序を示します。 CVPは「単価と費用の分解 → 貢献利益 → 分岐点」の順に固定すると崩れません 1. 材料を集める 販売単価、単位変動費、 固定費を確認します。 2. 貢献利益 単価 − 単位変動費、 または貢献利益率を出します。 3. 分岐点を出す 固定費 ÷ 貢献利益率、 または単位貢献利益で求めます。 4. 比較する 実際売上との差で 安全余裕率を見ます。 目標利益は最後に足す 固定費 + 目標利益 を分子に置けば、 必要売上高や必要数量へつながります。 先に見る点 固定費と変動費を混ぜないこと、数量ベースか売上高ベースかを 途中で切り替えないこと、この2点で計算ミスの大半を防げます。

計算の順番は「単価・変動費・固定費を整理する → 貢献利益を出す → 損益分岐点 → 安全余裕率 → 目標利益」です。まず分岐点を出してから比較に進む流れを固定してください。

1分復習

  1. 単位あたりの貢献利益を、単価と単位変動費からすぐ計算できますか。
  2. 損益分岐点売上高を出すとき、分子に置くのが固定費だけか、固定費+目標利益かを言い分けられますか。
  3. 安全余裕率は「実際売上と何を比べる指標か」を一言で説明できますか。

図を見直すときは、まず材料を集める、次に貢献利益、次に分岐点、最後に比較という順で声に出して追うと定着しやすくなります。

1行ミニチェック

「固定費・変動費 → 貢献利益 → 損益分岐点」と言えればOKです。

損益分岐点の図(イメージ)

単価 10,000円、単位変動費 4,000円固定費 1,800,000円 のケースを例に、損益分岐点の図を描いています。このときの損益分岐点は次の順で求められます。

  1. 単位あたりの貢献利益 = 10,000円 − 4,000円 = 6,000円
  2. 損益分岐点数量固定費 ÷ 単位貢献利益 = 1,800,000円 ÷ 6,000円 = 300 単位
  3. 損益分岐点売上高損益分岐点数量 × 単価 = 300 × 10,000円 = 3,000,000円(300万円)
このブラウザではグラフを表示できません。損益分岐点は300単位(売上高 3,000,000円)です。
横軸は数量(単位)、縦軸は金額(万円)で表示しています。

会話で理解する:CVPのグラフ

ユイ: グラフから何を読み取ればよいですか?

サクラ先生: 売上線と総費用線の交点=損益分岐点、右側が利益領域です。単価・変動費固定費の関係を、数式と図で両面から確認します。

ユイ: 計算の出発点は?

サクラ先生: 貢献利益=売上−変動費貢献利益率。そこから分岐点(固定費÷率)へつなげましょう。

ポイント:図と式をセットで読む。

見方のポイント

  • 青い線は売上高(単価 × 数量)、黒い線は総費用(固定費 + 変動費)です。
  • 両線の交点損益分岐点を示し、補助線で数量と売上高を読み取れるようにしています。
  • 薄い青の三角形は損失ゾーン、薄い緑の三角形は利益ゾーンです。
  • 総費用線は縦軸の固定費から始まり、傾きが単位変動費を表します。売上高線は原点を通るため、増加幅の比較がしやすい構成です。
  • 計画数量 Q0 を縦線と帯で示し、安全余裕幅 300単位(安全余裕率 50%)を可視化しています。

読み取りのコツ(3ステップ)

  1. 縦軸の切片で固定費を押さえましょう。
  2. 売上高線と総費用線の交点を見つけ、軸へ降ろして損益分岐点の数量・売上高を読み取ります。
  3. 実際(または計画)数量と比べ、安全余裕幅(実際数量 − 損益分岐点数量)を確認しましょう。

図の例では損益分岐点数量は 300 単位(固定費 180 万円 ÷ 単位貢献利益 6,000円)、損益分岐点売上高は 300 万円です。計画数量が 600 単位なので、安全余裕幅は 300 単位、安全余裕率は (600 − 300) ÷ 600 = 50% です。

営業利益は 売上高 600 万円 − 総費用 420 万円 = 180 万円。これは (実際数量 − 損益分岐点数量)× 単位貢献利益 = 300 × 6,000円 = 1,800,000円 でも確認できます。

安全余裕率はここで整理する

第2問では、損益分岐点売上高を先に出してから安全余裕率へ進む順に固定すると計算が安定します。

さらに詳しく

学習のヒント

  • 式を言葉で説明できるか確かめましょう。

関連用語(用語集)

次に進む

関連

よくある質問

固定費変動費の判定が難しいです

数量に比例する支出は変動費、一定額で発生する支出は固定費です。人件費でも稼働時間に応じて支払われる部分は変動費として扱います。

損益分岐点の公式を覚えられません

損益分岐点売上高=固定費 ÷ 貢献利益率損益分岐点数量=固定費 ÷(単価−単位変動費)です。ノート冒頭に公式を書き出しておくと安心です。

安全余裕率の意味は?

実際売上が損益分岐点よりどれだけ離れているかを示す指標です。値が小さいほど利益が不安定なので、固定費削減や単価見直しを検討します。

対応する演習