個別原価計算

注文(ジョブ)ごとに材料・労務・配賦額を集計し、原価を管理していきます。

例:ジョブ101で、材料120,000円・労務80,000円・予定配賦率1,500円/時×実績40時間なら、間接費は60,000円、合計原価は120,000+80,000+60,000=260,000円です。

考え方は、材料・労務・配賦額を同じジョブに積み上げていくことです。完成時に製品へ、販売時に売上原価へと振り替え、採算を把握します。

定義と見分け方

要点まとめ(20秒で要点)

見抜き方(第3問)

ジョブ・コスト・シート(例)

ジョブ・コスト・シートの骨子
材料・労務・間接費をジョブ別に記録します。
区分 主な記録項目
材料費 品目・数量・単価・金額
労務費 作業者・時間・賃率・金額
製造間接費 配賦基準量・予定配賦率・金額

ポイント:材料・労務・配賦額をジョブ単位で一枚に集計。

会話で理解する:ジョブ別に集める理由

ユイ: この表は何を管理するためのものですか?

サクラ先生: 1件の注文(ジョブ)ごとに材料・労務・間接費(配賦額)を集計し、原価と採算を把握するためです。

ユイ: 製造間接費はどう入りますか?

サクラ先生: 予定配賦率×実績基準量で配賦し、ジョブに加算します。完成時は製品へ、販売時は売上原価へ振替えます。

ポイント:材料・労務・配賦額をジョブ単位で集計。

即解ミニ例題(ジョブ合計)

与件:材料¥120,000、労務¥80,000、配賦率¥1,500/時×実績40時

間接費=1,500×40=¥60,000 → 合計原価=120,000+80,000+60,000=¥260,000

ポイント:材料・労務・配賦額を同じジョブに積み上げる。

よくある誤り:間接費を実際額で直接載せる/ジョブ外の原価を混在させる。間接費は予定配賦率×実績、ジョブ単位で厳密に集計。

ミニ表:Job 101 の集計(例)

材料・労務・間接費の合計例
項目金額メモ
直接材料費¥120,000払出伝票の集計
直接労務費¥80,000作業時間×賃率
製造間接費¥60,000予定配賦率×実績基準量
合計原価¥260,000製品完成時に振替
関連演習:第3問

ミニ問題(個別原価計算

選択肢から答えを選びましょう。正答と解説は「▼」を押すまで表示しません。

Q1. 個別原価計算が適しているのはどのような製造形態ですか?

  • A. 受注ごとに仕様が異なる製品を作る場合
  • B. 大量かつ連続的に同一製品を作る場合
  • C. サービス業で人件費が中心の場合
▼ 正答と解説を表示

正解:A(受注ごとに仕様が異なる製品を作る場合)

個別原価計算は受注ごと・案件ごとに仕様が異なる場合に各ジョブの原価を追跡する方式です。

Q2. 個別原価計算で各ジョブの原価をまとめるときに用いる書類は何ですか?

  • A. 個別原価計算表(ジョブコストシート)
  • B. 総合原価報告書
  • C. 試算表
▼ 正答と解説を表示

正解:A(個別原価計算表(ジョブコストシート))

ジョブコストシートに材料費・労務費製造間接費を積み上げ、案件ごとの原価を把握します。

Q3. 個別原価計算製造間接費を配賦する際によく用いられる基準はどれでしょうか。

  • A. 直接作業時間や直接労務費
  • B. 完成品数量
  • C. 売上高
▼ 正答と解説を表示

正解:A(直接作業時間や直接労務費

個別原価計算ではジョブごとの直接作業時間や直接労務費などを基準に製造間接費を配賦します。

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