仕掛品

材料・労務・間接費が製造途中の製品に集まる“中継地点”です。完成時に製品へ振替します。

例として、当月に材料費10,000円、賃金8,000円、製造間接費6,000円を投入した場合、まずはこれらが仕掛品に集計されます。月末に一部が完成すれば完成分だけが製品へ振り替わり、残りは翌月の仕掛品として持ち越されます。

考え方はシンプルで、投入(材料・労務・間接)→仕掛品→完成で製品という流れです。製造途中で一度受け止めることで、完成のタイミングで正しく製品に原価を移せるようにしています。

定義と見分け方

要点まとめ(20秒で要点)

見抜き方(第1・3問)

代表仕訳(投入〜完成)

仕訳例(仕掛品:材料・賃金・間接費・完成)
材料・賃金・間接費の集計と、完成時の製品への振替。
日付 借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
4/1 仕掛品 1,000 材料 1,000
4/1 仕掛品 800 賃金 800
4/1 仕掛品 600 製造間接費 600
4/30 製品 2,400 仕掛品 2,400

会話で理解する:仕掛品は“中継地点”

ユイ: 図の4行は、どんな流れですか?

サクラ先生: 材料・賃金・間接費を仕掛品に集め、完成時に製品へ振替える流れです。仕掛品は原価の“中継地点”だと覚えましょう。

ユイ: どこで間接費が出てきますか?

サクラ先生: 3行目の予定配賦です。配賦差は期末に調整します。

ポイント:投入は仕掛品、完成で製品へ。流れを声に出す。

原価の流れ 材料・労務・間接 → 仕掛品 → 製品 → 売上原価 材料・労務・間接 仕掛品 製品 売上原価
関連演習:第3問

ミニ問題(仕掛品

選択肢から答えを選びましょう。正答と解説は「▼」を押すまで表示しません。

Q1. 仕掛品勘定にはどのようなコストが計上されますか?

  • A. 製造途中の製品にかかった材料費・労務費製造間接費
  • B. 販売費及び一般管理費
  • C. 完成品に対する売上原価
▼ 正答と解説を表示

正解:A(製造途中の製品にかかった材料費・労務費製造間接費

仕掛品勘定には製造途中で投入した材料費・労務費製造間接費が集計されます。

Q2. 仕掛品は当期製造原価の計算でどのように扱いますか?

  • A. 期首仕掛品を足し、期末仕掛品を引く
  • B. 期末仕掛品のみを足す
  • C. 期首仕掛品のみを引く
▼ 正答と解説を表示

正解:A(期首仕掛品を足し、期末仕掛品を引く)

当期製造原価=期首仕掛品+当期製造費用−期末仕掛品で求め、仕掛品の増減を調整します。

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