売価還元法(売価還元原価)
売価情報(販売価格)をもとに、期末商品棚卸高の原価(売価還元原価)を見積もる方法です。2級では、問題文で与えられる「還元率」や「原価率」を使って、期末棚卸と売上原価をつなげます。
基本情報
| 分類 | 棚卸資産の評価方法の一つ(原価率を使う見積り計算) |
|---|---|
| 何を表すか | 売価をもとに、期末商品棚卸高の原価を見積もる方法 |
| 計算式・見分け方 | 原価率=(期首棚卸原価+当期仕入原価)÷(期首棚卸売価+当期仕入売価)。期末棚卸高(原価)=期末棚卸高(売価)×原価率 |
| 使う場面 | 値札の種類が多く、個々の商品原価を追いにくい業種(小売業など)で期末棚卸高を見積もる場面 |
| 試験での問われ方 | 与えられた売価・原価の数値から原価率を求め、期末商品棚卸高(原価)を計算させる出題 |
計算式・具体例
| 求めるもの | 式 | 数値例 |
|---|---|---|
| 原価率 | (期首棚卸原価+当期仕入原価)÷(期首棚卸売価+当期仕入売価) | (10,000+80,000)÷(14,000+106,000)=0.75 |
| 期末商品棚卸高(売価) | 期首棚卸売価+当期仕入売価-当期売上高 | 14,000+106,000-100,000=20,000 |
| 期末商品棚卸高(原価) | 期末商品棚卸高(売価)×原価率 | 20,000×0.75=15,000 |
売価還元法は「売価→原価」への変換です。まず売価ベースで期末残高(20,000)を出し、そのあとに原価率(0.75)を掛けて原価(15,000)にします。原価率を先に掛けたり、原価÷売価と売価÷原価を取り違えたりすると答えが大きくずれるので、順番と向きを固定して覚えましょう。
混同しやすい語との違い
- 移動平均法(在庫単価)や先入先出法との違い:これらは数量と単価の流れを直接追いますが、売価還元法は売価から原価を見積ります。
- 商品有高帳との違い:商品有高帳は期中の受入・払出を記録する帳簿で、売価還元法は期末評価のための計算手法です。
- 商品評価損との違い:商品評価損は原価が確定した後の評価減の論点で、売価還元法はまずその原価を見積もる論点です。
試験でのよく問われ方
- 与えられた売価・原価のデータから原価率を求め、期末商品棚卸高(原価)を計算させる出題が中心です。
- 原価率の向き(原価÷売価か、売価÷原価か)を取り違えさせるひっかけがあります。
ミニ演習(3問・即時採点)
Q1. 売価還元法の原価率を求める式はどれですか?(答えを見る)
(期首棚卸原価+当期仕入原価)÷(期首棚卸売価+当期仕入売価)。原価の合計を売価の合計で割って原価率を求めます。
Q2. 期首棚卸原価10,000円・当期仕入原価80,000円、期首棚卸売価14,000円・当期仕入売価106,000円のとき、原価率はいくらですか?(答えを見る)
0.75。(10,000+80,000)÷(14,000+106,000)=90,000÷120,000=0.75です。
Q3. 期末商品棚卸高(売価)が20,000円、原価率が0.75のとき、期末商品棚卸高(原価)はいくらですか?(答えを見る)
15,000円。売価ベースの期末残高に原価率を掛けて原価へ換算します。20,000×0.75=15,000円です。
関連
- 関連する用語:期末商品棚卸高/売上原価/商品評価損
- ガイドで学ぶ・解いて定着:学習ガイド(商品売買と売上原価)/ミニ問題J(在庫計算法:移動平均・先入先出)/ドリル(売上・売上原価)