固定資産と減価償却

取得から除売却までの流れと、資本的/収益的支出の区分を整理していきます。

この章のゴール

  • 取得・減価償却・除売却の仕訳ができる
  • 資本的/収益的支出の区分を説明できる
  • 表示と注記のポイントを把握する

学ぶ順番

  1. 取得時の原価の範囲
  2. 減価償却(定額法の基礎)
  3. 除売却の処理と表示

図解:固定資産のライフサイクル

固定資産の取得から除売却までの流れを示す図 取得、使用、減価償却、資本的支出または修繕、そして除却または売却に至る固定資産の流れを示します。 固定資産は「取得 → 使用 → 償却 → 除却・売却」で追うと整理しやすくなります 1. 取得 購入代金に付随費用を 含めて資産計上します。 2. 使用 期中取得なら月割りの有無、 残存価額も確認します。 3. 減価償却 費用を計上し、累計額で 帳簿価額を下げます。 4. 除却・売却 帳簿価額と受取額を比べ、 売却益・損を決めます。 支出が出たら先に判定 能力向上・寿命延長なら資本的支出。 維持修繕なら収益的支出です。 先に見る点 取得原価、月割り、累計額の取り崩しの3点を先に確認すると、 減価償却と除売却の仕訳を崩しにくくなります。

順番は「取得原価を確定する → 期中の償却を決める → 支出の区分を判定する → 除却・売却で累計額を取り崩す」です。除売却だけを個別に覚えるより、ライフサイクル全体で追う方が安定します。

1分復習

  1. 取得時に、購入代金へ含める付随費用を一言で説明できますか。
  2. 支出が出たとき、「能力向上・寿命延長」なら資本的支出と判断できていますか。
  3. 除売却では、先に累計額を取り崩してから帳簿価額と受取額を比べる流れを言えますか。

固定資産は「取得」「使用」「償却」「除売却」の流れで見ると、月割り計算や売却損益もばらばらに覚えずに済みます。

1行ミニチェック

「取得原価 → 償却 → 除売却」の流れを、累計額の取り崩しまで含めて言えればOKです。

耐用年数・残存価額の確認ポイント

境界事例の考え方

判断は「機能向上・使用可能期間の延長」の有無と金額の重要性で行います。

期中取得の月割・端数処理

次の一歩

理解を確認するには、ドリルC(引当金・固定資産)へ。

資本的支出収益的支出

固定資産に支出が生じたとき、その効果が将来に及ぶ改良・機能向上なら資本的支出(資産計上)、維持・修繕なら収益的支出(費用)と判断します。

資本的支出収益的支出の判定早見表
事例区分会計処理(例)
生産能力を高める機械の改造資本的支出機械装置 に加算
定期的な部品交換・修理収益的支出修繕費 等で費用計上

判断に迷ったら「使用可能期間の延長」や「能力向上」の有無を確認しましょう。

生徒資本的支出収益的支出、試験ではどう見分けますか。

先生効果の期間で考えます。将来にわたる能力向上・寿命延長は資産計上(資本的)、日常の維持修理は費用(収益的)。

生徒:迷ったら「将来にも効いているか」を確認ですね。

除却・売却の仕訳(まとめ)

固定資産の除却・売却の仕訳まとめ
取引典型仕訳
除却(無料処分減価償却累計額 / 備品(帳簿価額)
固定資産除却損 / —(差額)
売却(現金受取)現金減価償却累計額 / 備品(帳簿価額)
固定資産売却益(または売却損)/ —(差額)

まず帳簿価額=取得原価−累計額を把握し、受取額との差額を益損に振り分けます。

生徒:除却と売却、仕訳の考え方は共通ですか。

先生:はい。いずれも帳簿価額を基準に、受取額との差を益損にします。違いは現金の有無(除却はゼロ、売却は受取あり)。

生徒:まず「累計額の取り崩し」を忘れないことですね。

本文骨子

1) 背景と全体像

固定資産は長期にわたって使用する資産で、取得後は耐用期間に応じて減価償却を行います。支出は「資本的支出(資産計上)」と「収益的支出(費用計上)」に分け、効果の期間で判断します。

2) 典型仕訳(最小セット)

3) 表示とのつながり

貸借対照表では「取得原価−減価償却累計額=帳簿価額」で表示します。損益計算書では減価償却費が販管費または製造原価に含まれます。

4) よくある誤り

型を確認したら、ミニ問題E(固定資産) に進みましょう。

まずはミニ問題

ミニ問題E(固定資産) で基本の型を固めましょう。

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