工程間振替 — 次工程へ原価をバトンパス

工程別総合原価では、前工程で集めた原価を次工程の材料(前工程費)として引き継ぎます。仕訳の型で覚えましょう。

第1工程:ここまでの材料・加工の合計が 500,000 円でした。第2工程に渡します。

経理:第2工程ではこれを前工程費として受け取り、他の材料や加工費と合算して単位原価を作ります。

第2工程:受け取ったら、完成と月末仕掛へ等価で配りますね。

仕訳例

工程間振替の仕訳(5列形式)
日付借方科目借方金額貸方科目貸方金額
3/31仕掛品(第2工程)500,000仕掛品(第1工程)500,000
3/31製品1,200,000仕掛品(第2工程)1,200,000
3/31仕掛品(第2工程)10,800仕掛品(第1工程)10,800

注:勘定連絡図では工程ごとに仕掛品勘定を分け、前工程費を材料等と同列に集計します。

関連ページ

対話で理解しよう — 工程間のバトンパス

現場エピソード:第1工程の単位原価12円、完成900個。この完成品原価が第2工程へ工程振替されます。

ハル:「第2工程の単位原価は、受入12円に当月の材料・加工コストを加算して求めますね」

椿先生:「その通り。途中の不良/減損は原因工程で処理。責任の所在を明確にして配賦・差異を扱いましょう。」

定義・判断の物差し

  1. 今月、前工程の単価が13円に上昇。次工程の単位原価への影響(上振れ要因)を言葉で説明しましょう。
  2. 工程2での正常減損が50個出た場合、単位原価と完成原価への影響をどう扱いますか?
  3. 工程境界に置くべき実績記録(数量・進捗・不良)を3つ挙げましょう。

次に読む