工程間振替 — 次工程へ原価をバトンパス
工程別総合原価計算では、前工程で集めた原価を次工程の前工程費として引き継ぎます。振替の仕訳を型で覚えましょう。
基本情報
| 分類 | 工程別総合原価計算で、前工程の完成品原価を次工程へ引き継ぐ処理 |
|---|---|
| 増えるとき | 前工程(第1工程)の当月完了品原価が確定し、次工程(第2工程)の仕掛品へ振り替えたとき |
| 減るとき | 前工程(第1工程)の仕掛品から、完了品原価が次工程へ引き継がれて減少したとき |
| 代表的な相手科目 | 仕掛品〔第1工程〕(貸方)・仕掛品〔第2工程〕(借方) |
| 試験での問われ方 | 第1工程の完了品原価から、第2工程への振替仕訳を書かせる出題 |
仕訳例
第1工程の完了品原価500,000円を第2工程へ振り替え、第2工程では前工程費500,000円に当工程加工費400,000円を加えた900,000円を完成品原価として製品へ振り替える場面です。
| 日付 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 3/31 | 仕掛品〔第2工程〕 | 500,000 | 仕掛品〔第1工程〕 | 500,000 |
| 3/31 | 製品 | 900,000 | 仕掛品〔第2工程〕 | 900,000 |
前工程費は第2工程の始点で全量投入される材料と同じ扱いで、月末仕掛品でも進捗にかかわらず100%です。前工程の原価を順に積み上げていくので累加法と呼びます。
混同しやすい語との違い
- 総合原価計算の型(単純/工程別/組別/等級別)との違い:process-variantsは単純・工程別などの型の全体像、本語は工程別総合原価計算の中で前工程費を次工程へ渡す具体的な処理です。
- 完成品換算量との違い:完成品換算量は数量を完成品何個分かに換算する考え方、本語は前工程の原価を次工程の原価要素として受け入れる処理です。
- 平均法と先入先出法との違い:平均法・先入先出法は原価配分の方法、本語はその前提として前工程費をどう持ち込むかの話です。
試験でのよく問われ方
- 第1工程の完了品原価から、第2工程への振替仕訳(借方・貸方)を書かせる出題。
- 前工程費を第2工程の始点投入材料と同じ扱いで完成品換算量に含めさせる出題。
ミニ演習(2問・即時採点)
Q1. 第1工程の完了品原価500,000円を第2工程へ振り替える仕訳の借方科目はどれですか?(答えを見る)
仕掛品〔第2工程〕です。原価が増える第2工程の仕掛品が借方、原価が減る第1工程の仕掛品が貸方になります。
Q2. 第2工程で受け入れた前工程費は、月末仕掛品の完成品換算量にどう含めますか?(答えを見る)
進捗にかかわらず100%で含めます。前工程費は第2工程の始点で全量投入される材料と同じ扱いです。
関連
- ガイドで学ぶ:総合原価計算(等級別・組別・工程別)
- 関連する用語:総合原価計算の型(単純/工程別/組別/等級別)/完成品換算量/組別原価計算 — 同種製品を一組でまとめる
- 解いて定着:総合原価計算ドリル