のれん
のれんは、企業結合で受け入れた資産・負債を時価評価したときの純資産(受入純資産)よりも、支払った対価が大きいときに生じる差額です。無形固定資産として計上し、20年以内の期間で規則的に償却します。対価が受入純資産より小さいときは、差額を負ののれん発生益として即座に特別利益に計上します。
基本情報
| 分類 | 資産(無形固定資産)。対価が受入純資産より小さいときは特別利益(負ののれん発生益) |
|---|---|
| 増えるとき | 合併等の企業結合で、対価が受入純資産(時価評価後)より大きいとき(借方) |
| 減るとき | 20年以内の期間で、のれん償却として規則的に償却するとき |
| 代表的な相手科目 | のれん償却(費用)。合併時は諸資産・諸負債・資本金等とセットで計上 |
| 試験での問われ方 | 対価と時価評価した受入純資産から、のれん(または負ののれん発生益)の額と、1年分の償却額を計算させる出題 |
仕訳例
| 日付 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 合併時 | 諸資産 のれん | 800,000 120,000 | 諸負債 資本金 | 300,000 620,000 |
| のれん償却 | のれん償却 | 6,000 | のれん | 6,000 |
確認:受入純資産は時価評価した諸資産800,000円−諸負債300,000円=500,000円です。対価620,000円との差額120,000円がのれん(借方・資産)になります。20年で定額法により償却すると、120,000÷20=6,000円が1年分ののれん償却です。
混同しやすい語との違い
- 無形固定資産との違い:無形固定資産は通常の取得や開発で計上される資産ですが、のれんは企業結合の差額として生じます。
- 負ののれんとの違い:対価が受入純資産より小さいケースで、差額の向きが逆になり、資産計上せず特別利益(負ののれん発生益)に一括計上します。
- 会社の合併との違い:合併は取引そのもの、のれんはその結果として生じる差額です。
- 資本連結との違い:資本連結は、親会社が子会社を連結するときに、投資と子会社の資本を相殺してのれんを求める手続きです。のれんの計算式(対価−受入純資産)自体は合併と同じ考え方で、資本連結でも投資と子会社純資産(またはそのうち親会社持分に対応する額)の差額としてのれんを求めます。
試験でのよく問われ方
- 対価と時価評価した受入純資産から、のれん(借方・資産)または負ののれん発生益(貸方・特別利益)を判定・計算させる出題。
- のれんの償却額(対価−受入純資産を20年以内の期間で定額法償却)を計算させる出題。
ミニ演習(3問・即時採点)
Q1. のれんが生じるのは、対価と受入純資産(時価評価後)がどのような関係のときですか?(答えを見る)
対価のほうが大きいときです。対価が受入純資産を上回る差額がのれん(借方・資産)になります。
Q2. 受入純資産500,000円に対し、対価620,000円を支払った。のれんはいくらですか?(答えを見る)
120,000円です。のれん=対価620,000−受入純資産500,000=120,000円です。
Q3. のれん120,000円を20年で定額法により償却する。1年分の償却額はいくらですか?(答えを見る)
6,000円です。120,000÷20年=6,000円。(借)のれん償却/(貸)のれん で処理します。
関連
- 関連する用語:会社の合併/無形固定資産(ソフトウェア等)/株主資本等変動計算書/資本連結
- ガイドで学ぶ・解いて定着:学習ガイド(会社の合併とのれん)/ミニ問題(セットT:企業結合・税金)/ドリル(企業結合・税金)