原価計算の体系(実際/正常/標準)

何を「先に決めて」配るのか。目的に応じて使い分け、差異の読み方へつなげていきましょう。

定義と使い所

実際原価計算:全て実際額で集計。月末の確定が遅く、管理用途では速報性に欠けることも。

正常原価計算:材料・労務は実際、間接費は予定配賦。速報性と安定性のバランスが取れます。

標準原価計算:標準価格×標準数量で先に組み立て、差異で原因を切り出します。

仕訳例(5列TABLE)

正常原価(予定配賦)の例
日付借方科目借方金額貸方科目貸方金額
3/10仕掛品1,200材料1,200
3/25仕掛品900賃金900
3/31仕掛品600製造間接費600
3/31仕掛品84,000製造間接費84,000

月末に「実際間接費」との差を配賦差異として処理します(当期損益/比例配分)。

試験での見分け方

対話で理解しよう — 原価計算体系の使い分け

現場エピソード:量産のクッキーは総合原価計算、特注ケーキは個別原価計算。月次は正常原価計算(実際×予定の折衷)、差異分析には標準原価計算を併用。

ハル:「製品群ごとに計算体系を使い分け、月次の安定性と改善の両立を図ります」

椿先生:「その設計が実務的。量産=総合個別=個別運用=正常改善=標準と覚えましょう。」

定義・判断の物差し

  1. あなたの工場の製品群を2つに分け、どちらを個別/総合に当てるか書きましょう。
  2. 月次の正常原価のために、次期の予定配賦率をどう設定しますか?(基準・見直し頻度)
  3. 差異分析(標準原価)の導入ステップを1つ提案しましょう。

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