材料差異(価格差異・数量差異)

標準×標準で集め、実際とのズレを価格数量に切り分けます。どちらの要因か、式で速く見抜きましょう。

式(代表形)

価格差異 = 実際数量 × (標準価格 − 実際価格)

数量差異 = 標準価格 × (許容標準数量 − 実際数量)

許容標準数量 = 実際産出量 × 標準数量/単位(許容標準

仕訳例(5列TABLE)

材料差異の仕訳例
日付借方科目借方金額貸方科目貸方金額
3/10材料1,980買掛金1,980
3/31材料価格差異20材料20
3/31仕掛品2,000材料数量差異?(有利/不利)
3/31材料価格差異2,080材料2,080

差異勘定の名称・集計単位は問題文の指示に従います。

対話で理解しよう — 銅板加工の材料差異

現場エピソード:標準価格600円/kg・標準使用量2.0kg/個。今月の実際産出は500個。購買は1,050kgを630円/kgで仕入れ、実際使用量は1,040kgでした。

ハル:「価格差異=1,050×(600−630)=−31,500円(不利)。数量差異=600×(許容1,000−実際1,040)=−24,000円(不利)。ネットは−55,500円(不利)です」

椿先生:「良い分解です。許容標準実際産出×標準で算定。価格差異は購買の単価、数量差異は工程の歩留・計量の影響が中心。部門ごとに原因と対策を切り分けましょう。」

定義・判断の物差し

  1. 今月の許容標準数量(kg)を計算し、実際との差をkgで示しましょう。
  2. 価格差異が不利だった場合、購買がすべき即時対策を1つ、現場がすべき対策を1つ挙げましょう。
  3. 数量差異の改善を1週間で検証する小実験(計量ルール・ロス記録の変更など)を1つ書きましょう。

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