第2話:昼のライン — 労務費の集計と配賦

直接作業員の賃金は仕掛品(労務費)へ、間接作業や監督者の賃金は製造間接費へ。標準との差も合わせて見ていきましょう。

ライン長:今日のAライン、予定より早く終わりました。作業時間は標準より10%短いです。

原価管理:それは能率差異(有利)ですね。一方で時間給が上がっていれば賃率差異(不利)が出るかもしれません。

経理:直接作業員の賃金は仕掛品に、清掃や段取り替えの作業は製造間接費で集計して配賦します。

労務費の仕訳(直接/間接)

仕訳例(直接作業と間接作業)
日付借方科目借方金額貸方科目貸方金額
4/2仕掛品(労務費)80,000賃金80,000
4/2製造間接費20,000賃金20,000

ポイント:労務費は直接/間接の区分で、流れ先(仕掛品/製造間接費)が変わります。

標準差異のイメージ(概念)

賃率差異と能率差異(概念)
差異考え方
賃率差異(実際賃率 − 標準賃率)× 実際時間
能率差異(実際時間 − 許容標準時間)× 標準賃率

次の回は「製造間接費の予定配賦」です。配賦率と差異の全体像を重ねて理解しましょう。

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