貸倒損失
売掛金などの債権が回収不能になったときに計上する費用です。
概要
貸倒損失は、貸倒引当金の見積額を超えて回収不能となった金額や、引当金を設定していなかった債権が貸倒れたときに計上します。
簿記3級では貸倒引当金の範囲内かどうかで仕訳が変わる点が重要です。
| 日付 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 4/25 | 貸倒引当金 まず引当金を取り崩す |
30,000 | 売掛金 | 30,000 |
| 4/25 | 貸倒損失 引当超過分のみ費用化 |
10,000 | 売掛金 | 10,000 |
回収不能になったときは、まず過去に見積もった貸倒引当金で受け止めます。それで足りない分だけを貸倒損失として費用化します。表のとおり、売掛金は貸方で減らし、引当金の取り崩し(借方)→不足分の損失(借方)という順番で読むと、処理の道筋がすっきり理解できます。
試験で押さえるポイント
- 貸倒引当金がある場合は、まず引当金を取り崩して処理します。
- 引当金で足りない部分だけ貸倒損失を使います。
- 貸倒損失は損益計算書の費用に計上されます。
クイックリファレンス
| 分類 | 費用 |
|---|---|
| 関連勘定 | 貸倒引当金・売掛金・受取手形 |
| よくあるミス | 引当金の範囲内でも貸倒損失を計上してしまう |
| 決算整理 | 貸倒引当金繰入と合わせて管理 |
貸倒処理の順番(引当金→貸倒損失)を常に意識しましょう。
貸倒損失の仕訳
売掛金40,000円が貸倒れ、貸倒引当金残高が30,000円あった場合の仕訳です。
(借)貸倒引当金 30,000 / (貸)売掛金 30,000
(借)貸倒損失 10,000 / (貸)売掛金 10,000
不足分のみ貸倒損失を計上します。
関連ページ
ミニ演習(貸倒損失)
1) 貸倒損失はどの財務諸表に表示されますか?
答えを見る
損益計算書の費用。2) 引当金残高より貸倒額が少ないとき、貸倒損失は計上しますか?
答えを見る
いいえ。貸倒引当金の取り崩しのみで処理する。3) 回収不能が判明したときの最初の仕訳は?
答えを見る
貸倒引当金を借方、売掛金を貸方に記入する。貸倒処理の練習は第1問演習で実践しましょう。