材料費の基礎
購入から消費までの流れを数量×単価で捉え、迷わず計算できるようにしていきましょう。
材料費の定義
- 直接材料費:製品に直接ひも付く主要な材料の費用。
- 間接材料費:ボルト・潤滑油など、製品個別に追跡しない材料の費用。
- 試験では、まずどちらに属するかを言えることが第一歩です。
キーワード:購入原価、消費量、材料副費(運賃・荷役費など)
購入原価の考え方
- 購入原価 = 購入価格 + 付随費用 - 値引・割戻
- 付随費用の例:運賃・保険料・検収費用など。
- 返品・値引は購入原価から控除します。
材料消費量の基本式
- 消費量 = 期首棚卸 + 当期仕入 - 期末棚卸
- 消費額は 消費量 × 単価 で求めます。
- 単価は実際単価や平均単価(移動平均など)を用いる問題が出ます。
ミニ例題
次のデータから材料消費額を求めましょう。
- 期首棚卸 100kg、当期仕入 300kg、期末棚卸 80kg
- 単価 400円/kg(実際単価)
解: 消費量 = 100 + 300 − 80 = 320kg → 消費額 = 320 × 400 = 128,000円
期末棚卸を足し算してしまうミスに注意。必ず控除です。
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間接材料の扱い
- 個々の製品に直接追跡せず、製造間接費としてまとめて集計します。
- のちに合理的な基準で各製品へ配賦します(配賦の章で詳しく)。
ミニ小問
- 購入価格120,000円・運賃3,000円・値引5,000円。購入原価は?(円)
- 期首80kg・当期仕入240kg・期末50kg・単価400円/kg。材料消費額は?(円)
- 「切削油」は直接材料か、間接材料か?
解答
1) 120,000 + 3,000 − 5,000 = 118,000
2) 消費量 80 + 240 − 50 = 270kg → 270 × 400 = 108,000
3) 多くは間接材料(製造間接費に集計)
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関連
- 要素別原価(親ページ)