手形割引

定義:受取手形を期日前に銀行へ割引して資金化すること。使い所:資金繰りで現金化したいとき。

仕訳例(手形割引)
日付借方科目借方金額貸方科目貸方金額
4/25現金295受取手形300
4/25手形売却損5  

対話で深める:手形割引

現場設定(会社規模・締め日・回収サイト・税率・契約条項):

  • 会社規模:年商8億/従業員28名
  • 締め日:月末締め
  • 回収サイト:90日手形(残存45日で割引)
  • 税率:消費税10%
  • 契約条項:割引料年3%/遡求義務あり

現場エピソード(単位:万円・個・% など):

額面100、期日まで45日、年3%で割引。割引料は約0.37。仕訳:当座預金99.63/受取手形100、手形売却損0.37。

応用エピソード:

割引実行日が月末で、入金は当月、割引料の費用は当月認識。期末に割引手形残高がある場合は注記(または補足情報)で遡求義務の可能性に触れる指示が出ることがあります。

応用・境界ケース
  • 割引と裏書の併用時の残高管理
  • 割引料の端数処理(四捨五入/切捨て)
  • 割引手形の不渡時の遡求仕訳

ユイ:数字があると、判断が速くなりますね。つまり「何に対して」「どの率で」「差額か総額か」を決めれば迷いにくい、ということですか?

先生:その通りです。定義と役割をまず言語化し、次に場面を特定、最後に金額の型(基礎×率か、差額か)に当てはめます。上のエピソードも、同じ手順で処理できます。

ユイ:試験で混乱したら、性格→場面→金額の順に自分へ問いかけます。

先生:仕訳を書いたあと、30秒で口頭説明できるかをチェックしましょう。説明できれば再現性があります。

判断基準とチェック
  • 割引料=額面×年利×残存日数/365
  • 費用科目は手形売却損
  • 割引後の手形の遡求リスクに留意
  • 30秒で説明:何が起きて、どの基礎×率(または差額)で、なぜその相手科目か
  • チェック質問:締め日と回収/支払サイトは?請求日と入出金日のズレは?
  • チェック質問:税率や非課税・免税の適用は?端数処理は指示どおり?
  • チェック質問:契約条項(検収・返品・遅延利息・前受/割賦)はどう指示されている?

ポイント:割引は現金の増加割引料(手形売却損)の計上を伴います。練習は ミニ問題B(手形) へ。

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