手形裏書

定義:受取手形を裏書譲渡して債務の決済に充てること。使い所:買掛金等の支払に利用されます。

仕訳例(手形裏書)
日付借方科目借方金額貸方科目貸方金額
4/20買掛金300受取手形300

対話で深める:手形裏書

現場設定(会社規模・締め日・回収サイト・税率・契約条項):

  • 会社規模:年商8億/従業員28名(製造卸)
  • 締め日:月末
  • 回収/支払サイト:90日手形運用
  • 税率:消費税10%
  • 契約条項:裏書譲渡可/不渡時遡求あり

現場エピソード(単位:万円・個・% など):

受取手形100を仕入先への支払に裏書譲渡。通常は「買掛金受取手形」で決済。万一不渡なら遡求され、買掛金復活+諸費用を負担します。

応用エピソード:

裏書譲渡後、相手先の都合で再受戻となった場合は「受取手形買掛金」で戻し、期日管理を継続します。

応用・境界ケース
  • 裏書再受戻の仕訳と期日管理
  • 複数裏書の連鎖と遡求順位
  • 期末残高の手形内訳(裏書残・割引残)の開示指示に注意

ユイ:数字があると、判断が速くなりますね。つまり「何に対して」「どの率で」「差額か総額か」を決めれば迷いにくい、ということですか?

先生:その通りです。定義と役割をまず言語化し、次に場面を特定、最後に金額の型(基礎×率か、差額か)に当てはめます。上のエピソードも、同じ手順で処理できます。

ユイ:試験で混乱したら、性格→場面→金額の順に自分へ問いかけます。

先生:仕訳を書いたあと、30秒で口頭説明できるかをチェックしましょう。説明できれば再現性があります。

判断基準とチェック
  • 裏書で債務決済(要件は裏書日付・署名)
  • 不渡時は遡求義務が残る
  • 実務は期日・相手先管理が重要
  • 30秒で説明:何が起きて、どの基礎×率(または差額)で、なぜその相手科目か
  • チェック質問:締め日と回収/支払サイトは?請求日と入出金日のズレは?
  • チェック質問:税率や非課税・免税の適用は?端数処理は指示どおり?
  • チェック質問:契約条項(検収・返品・遅延利息・前受/割賦)はどう指示されている?

ポイント:裏書は現金を伴わない決済手段で、遡求の可能性に注意します。練習は ミニ問題B(手形) へ。

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