受取手形

定義:将来の現金受取を約束する有価証券。使い所:売上債権の決済手段として受け取り、満期には現金化します。

仕訳例(受取手形)
日付借方科目借方金額貸方科目貸方金額
受取時受取手形500売掛金500
満期当座預金500受取手形500

対話で深める:受取手形

現場設定(会社規模・締め日・回収サイト・税率・契約条項):

  • 会社規模:年商8億/従業員28名(製造卸)
  • 締め日:月末締め
  • 回収サイト:90日手形
  • 税率:消費税10%
  • 契約条項:手形取引/不渡時の遡求あり

現場エピソード(単位:万円・個・% など):

商品売上100を約束手形で受取。満期は90日後。決算時に未決済なら期末残高として表示。資金化が必要なら割引や裏書を検討します。

応用エピソード:

満期日が祝日の場合は翌営業日決済。満期に不渡となった場合、受取手形100を売掛金100に戻し、遡求と諸費用(不渡手形損失 等)を追加計上します。

応用・境界ケース
  • 満期日が休日→翌営業日扱い(利息・割引料の扱いは指示に従う)
  • 不渡時:売掛金へ戻し、遡求費用(取立手数料 等)を計上
  • 裏書再受戻:仕入先から戻った場合は買掛金復活+諸費用

ユイ:数字があると、判断が速くなりますね。つまり「何に対して」「どの率で」「差額か総額か」を決めれば迷いにくい、ということですか?

先生:その通りです。定義と役割をまず言語化し、次に場面を特定、最後に金額の型(基礎×率か、差額か)に当てはめます。上のエピソードも、同じ手順で処理できます。

ユイ:試験で混乱したら、性格→場面→金額の順に自分へ問いかけます。

先生:仕訳を書いたあと、30秒で口頭説明できるかをチェックしましょう。説明できれば再現性があります。

判断基準とチェック
  • 受取手形は金融資産(期日指定・利息性あり)
  • 割引時は「手形売却損」で費用認識
  • 裏書譲渡時は相手先の債務消滅に充当
  • 30秒で説明:何が起きて、どの基礎×率(または差額)で、なぜその相手科目か
  • チェック質問:締め日と回収/支払サイトは?請求日と入出金日のズレは?
  • チェック質問:税率や非課税・免税の適用は?端数処理は指示どおり?
  • チェック質問:契約条項(検収・返品・遅延利息・前受/割賦)はどう指示されている?

ショート対話:
後輩:満期前に資金化するには?
先輩:銀行で割引すると「当座預金, 手形売却損 / 受取手形」となります。

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