固定資産の除売却パターン一覧

パターンごとの差額の正体(利益/損失)を一目で確認します。

主なパターンと着眼点
パターン 概要 典型仕訳の考え方
売却(現金受領) 帳簿価額と売却価額の差額を損益へ 当座預金, 減価償却累計額 / 固定資産, 固定資産売却益(又は売却損)
除却(廃棄) 価値が失われたため無償で除却 減価償却累計額, 固定資産除却損 / 固定資産
下取り 新資産の取得と同時に旧資産を引渡し 新資産, 減価償却累計額 / 旧資産, 当座預金(差額), 売却益(又は売却損)
一部除却 資産の一部機能を除却(増改築と併存) 減価償却累計額, 固定資産除却損 / 固定資産(一部相当額)

対話で深める:固定資産の除売却パターン一覧

現場設定(会社規模・締め日・回収サイト・税率・契約条項):

現場エピソード(単位:万円・個・% など):

売却・除却・廃棄の3パターンを比較。例:帳簿価額3,400、売却価額3,000→売却損400。除却(無償で処分)→除却損3,400。

ユイ:数字があると、判断が速くなりますね。つまり「何に対して」「どの率で」「差額か総額か」を決めれば迷いにくい、ということですか?

先生:その通りです。定義と役割をまず言語化し、次に場面を特定、最後に金額の型(基礎×率か、差額か)に当てはめます。上のエピソードも、同じ手順で処理できます。

ユイ:試験で混乱したら、性格→場面→金額の順に自分へ問いかけます。

先生:仕訳を書いたあと、30秒で口頭説明できるかをチェックしましょう。説明できれば再現性があります。

判断基準とチェック
  • 売却:対価との差額
  • 除却:帳簿価額全額を損失
  • 下取:新資産の取得原価に留意
  • 30秒で説明:何が起きて、どの基礎×率(または差額)で、なぜその相手科目か
  • チェック質問:締め日と回収/支払サイトは?請求日と入出金日のズレは?
  • チェック質問:税率や非課税・免税の適用は?端数処理は指示どおり?
  • チェック質問:契約条項(検収・返品・遅延利息・前受/割賦)はどう指示されている?

実務では「帳簿価額=取得原価−累計額」を起点に、受取額との差額が損益になることをまず押さえましょう。

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