満期保有目的債券(償却原価法)
満期保有目的債券は、満期まで保有する意思と能力がある債券です。分類は資産で、期末の時価評価はせず、額面と取得価額の差額を満期までの期間にわたって定額法(2級の範囲)で配分する償却原価法により、帳簿価額を少しずつ額面に近づけます。利息法(実効利子法)による償却は1級の範囲です。
基本情報
| 分類 | 資産(投資その他の資産) |
|---|---|
| 増えるとき | 取得したとき、定額法による償却で帳簿価額を増額するとき(額面>取得価額の場合) |
| 減るとき | 定額法による償却で帳簿価額を減額するとき(額面<取得価額の場合)、満期償還を受けたとき |
| 代表的な相手科目 | 現金・当座預金(取得・償還時)、有価証券利息(償却時) |
| 試験での問われ方 | 定額法による毎期の償却額(額面と取得価額の差額÷保有年数)を計算させ、有価証券利息を計上させる出題 |
仕訳例
| 日付 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 決算 | 満期保有目的債券 | 5,000 | 有価証券利息 | 5,000 |
額面500,000円・償還まで5年の債券を475,000円で取得した例です。額面と取得価額の差額25,000円(金利調整差額)を保有年数5年で割った5,000円を、決算のたびに満期保有目的債券(借方)と有価証券利息(貸方)で計上し、帳簿価額を少しずつ額面500,000円に近づけます。相手科目は受取利息(貸付金・預金の利息)ではなく有価証券利息である点に注意します。
混同しやすい語との違い
- 売買目的有価証券との違い:売買目的は期末に時価評価しますが、満期保有目的は時価評価をせず、定額法による償却原価法で処理します。
- 償却原価法(実効利子法)との違い:本語(held-to-maturity)は満期保有目的債券という区分の説明で、償却原価法はその計算方法(2級は定額法)の説明です。
- 受取利息との違い:貸付金・預金の利息は受取利息ですが、社債の定額法償却で生じる収益は有価証券利息を用います。
試験でのよく問われ方
- 額面と取得価額の差額を保有年数で割った、定額法による毎期の償却額を計算させる出題。
- 満期保有目的債券は時価評価しないことを、売買目的有価証券と対比させて問う出題。
- 償却時の相手科目が有価証券利息であることを問う出題(受取利息との混同に注意)。
ミニ演習(3問・即時採点)
Q1. 満期保有目的債券の期末評価として、2級で正しいものはどれですか?(答えを見る)
時価評価はせず、額面と取得価額の差額を定額法で配分する償却原価法です。売買目的有価証券のような時価評価は行いません。
Q2. 額面500円・取得価額475円・保有期間5年の満期保有目的債券について、定額法による毎期の償却額はいくらですか?(答えを見る)
5円です。(500−475)÷5=5円を、毎期の有価証券利息として計上します。
Q3. 満期保有目的債券を定額法で償却したときの相手科目はどれですか?(答えを見る)
有価証券利息です。貸付金や預金の利息(受取利息)とは別の科目を使います。
関連
- 関連する用語:売買目的有価証券/有価証券売却益/損/償却原価法(実効利子法)
- ガイドで学ぶ・解いて定着:学習ガイド(有価証券)/ミニ問題C(有価証券:評価と売却)/ドリル(有価証券・手形)