仮受消費税

定義:売上時に預かる消費税の仮勘定(負債)。使い所:税抜方式では売上とは分離して記録し、期末に仮払と相殺します。

仕訳例(仮受消費税)
日付借方科目借方金額貸方科目貸方金額
5/12売掛金1,000売上1,000
5/12売掛金100仮受消費税100

対話で深める:仮受消費税

現場設定(会社規模・締め日・回収サイト・税率・契約条項):

  • 会社規模:年商12億/従業員45名(一般課税)
  • 締め日:月末
  • 回収/支払サイト:月末締め翌月末
  • 税率:消費税10%(標準)
  • 契約条項:税込/税抜明記/値引・返品の処理規定

現場エピソード(単位:万円・個・% など):

売上1,100(税100)を計上。仮受消費税100を負債として認識。期末に仮払消費税と相殺。

応用エピソード:

前受金を受けた場合の税区分:役務提供前に受領した前受に消費税を含める扱いは契約次第。請求タイミングに合わせて課税の時期を指示に従って判定します。

応用・境界ケース
  • 税込/税抜表記の誤りによる税額の食い違い対応
  • 値引・返品による税の修正(売上値引/返品のタイミング)
  • 課税期間の途中税率変更(設問上の特例)

ユイ:数字があると、判断が速くなりますね。つまり「何に対して」「どの率で」「差額か総額か」を決めれば迷いにくい、ということですか?

先生:その通りです。定義と役割をまず言語化し、次に場面を特定、最後に金額の型(基礎×率か、差額か)に当てはめます。上のエピソードも、同じ手順で処理できます。

ユイ:試験で混乱したら、性格→場面→金額の順に自分へ問いかけます。

先生:仕訳を書いたあと、30秒で口頭説明できるかをチェックしましょう。説明できれば再現性があります。

判断基準とチェック
  • 税抜経理なら仮受は負債
  • 納付時に未払消費税を解消
  • インボイス事務の処理は範囲外
  • 30秒で説明:何が起きて、どの基礎×率(または差額)で、なぜその相手科目か
  • チェック質問:締め日と回収/支払サイトは?請求日と入出金日のズレは?
  • チェック質問:税率や非課税・免税の適用は?端数処理は指示どおり?
  • チェック質問:契約条項(検収・返品・遅延利息・前受/割賦)はどう指示されている?

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