仮払消費税

定義:仕入時に支払う消費税の仮勘定(資産)。使い所:税抜方式では仕入とは分離して記録し、期末に仮受と相殺します。

仕訳例(仮払消費税)
日付借方科目借方金額貸方科目貸方金額
5/10仮払消費税100買掛金100

対話で深める:仮払消費税

現場設定(会社規模・締め日・回収サイト・税率・契約条項):

  • 会社規模:年商12億/従業員45名(一般課税)
  • 締め日:月末
  • 回収/支払サイト:月末締め翌月末
  • 税率:消費税10%(標準)
  • 契約条項:インボイス番号必須/税込・税抜の運用ルール明記

現場エピソード(単位:万円・個・% など):

仕入550(税50)は仮払消費税50として計上。期末に仮受消費税と相殺します。

応用エピソード:

インボイス番号の欠落や書式不備がある場合、仕入税額控除が認められない可能性。受領後の差替え・再発行のフローを確認します。

応用・境界ケース
  • インボイスの記載事項(登録番号、適用税率、税額等)チェック
  • 課否判定が混在する経費の按分(会議費の飲食 含む/除く 等)
  • 少額切手・交通系IC等の特例の有無

ユイ:数字があると、判断が速くなりますね。つまり「何に対して」「どの率で」「差額か総額か」を決めれば迷いにくい、ということですか?

先生:その通りです。定義と役割をまず言語化し、次に場面を特定、最後に金額の型(基礎×率か、差額か)に当てはめます。上のエピソードも、同じ手順で処理できます。

ユイ:試験で混乱したら、性格→場面→金額の順に自分へ問いかけます。

先生:仕訳を書いたあと、30秒で口頭説明できるかをチェックしましょう。説明できれば再現性があります。

判断基準とチェック
  • 税抜経理なら仮払を資産で計上
  • 控除対象外仕入は按分等の指示に従う
  • 端数処理は指示どおり
  • 30秒で説明:何が起きて、どの基礎×率(または差額)で、なぜその相手科目か
  • チェック質問:締め日と回収/支払サイトは?請求日と入出金日のズレは?
  • チェック質問:税率や非課税・免税の適用は?端数処理は指示どおり?
  • チェック質問:契約条項(検収・返品・遅延利息・前受/割賦)はどう指示されている?

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