繰越利益剰余金

過年度から繰り越された利益の累積額で、純資産の一部として表示します。

概要

繰越利益剰余金は、累積された利益を示す勘定で、損益計算書の差額(当期純利益または純損失)を毎期振り替えます。

簿記3級では、決算仕訳で損益勘定から繰越利益剰余金へ振り替える処理を押さえれば十分です。

当期純利益の振替(最小例)。
日付 借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
決算 損益 70,000 繰越利益剰余金 70,000

当期純利益が出たときは、損益勘定から繰越利益剰余金へ振り替えて純資産に蓄積します。逆に損失なら、繰越利益剰余金を借方にして取り崩します。表の1行は「利益→純資産へ繰り越し」という筋道を端的に示しています。

試験で押さえるポイント

クイックリファレンス

分類純資産
表示貸借対照表の純資産の部
決算仕訳(借)損益 / (貸)繰越利益剰余金
純損失時(借)繰越利益剰余金 / (貸)損益

累積額がマイナスになると繰越利益剰余金欠損として表示されます。

当期純利益の振替

損益勘定に貸方残100,000円(当期純利益)が残った場合の振替仕訳です。

(借)損益 100,000 / (貸)繰越利益剰余金 100,000

この振替後、損益勘定はゼロになり翌期へ繰り越しません。

関連ページ

ミニ演習(繰越利益剰余金)

1) 繰越利益剰余金は貸借対照表のどこに表示?
答えを見る純資産の部。
2) 当期純損失が出た場合の仕訳は?
答えを見る(借)繰越利益剰余金 / (貸)損益。
3) 個人企業で繰越利益剰余金に相当する勘定は?
答えを見る元入金/引出金で調整する。
決算振替の流れは試算表ガイドで確認しましょう。