損益計算書
一定期間の収益と費用を集計し、最終的な当期純利益を示す財務諸表です。
概要
損益計算書(P/L)は、売上高などの収益と仕入や経費などの費用を比較し、当期の利益または損失を算出します。簿記3級では単段構成が主流で、売上総利益→営業利益といった多段表示は出題されません。
合計残高試算表で損益勘定の残高を確認し、費用は借方、収益は貸方に表示します。差額が当期純利益(または純損失)となり、貸借対照表へ振り替えられます。
| 日付 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 4/10 | 売掛金 | 120,000 | 売上 | 120,000 |
| 4/15 | 広告宣伝費 | 15,000 | 現金 | 15,000 |
収益は貸方、費用は借方という向きで集計されます。上の2行を合わせて見ると、売上で利益の源泉が生まれ、広告宣伝費で利益が削られるという、損益計算書の根本的な動きが読み取れます。
試験で押さえるポイント
- 収益・費用の区分を正しく覚え、逆側に記入しないよう注意します。
- 決算整理で計上する減価償却費や未払費用も忘れずに費用欄へ反映します。
- 最終行の当期純利益は貸借対照表の純資産(繰越利益剰余金)へ振り替えます。
クイックリファレンス
| 分類 | 財務諸表 |
|---|---|
| 期間 | 通常は会計期間(例:1年間) |
| 主な区分 | 売上高/売上原価/販管費/営業外収益・費用など |
| 関連する決算整理 | 減価償却・貸倒引当金繰入・棚卸資産振替 など |
簿記3級では単純な収益−費用で計算できる形式が中心です。
当期純利益の算出例
売上高800,000円、売上原価500,000円、販管費180,000円、営業外収益5,000円、営業外費用3,000円の場合の当期純利益を求めます。
当期純利益 = 800,000 − 500,000 − 180,000 + 5,000 − 3,000 = 122,000
計算した当期純利益は繰越利益剰余金へ振り替え、貸借対照表と整合させます。
関連ページ
ミニ演習(損益計算書)
1) 損益計算書に記載される勘定区分は?
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収益と費用の勘定。2) 当期純利益がマイナスの場合、どう扱いますか?
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当期純損失として繰越利益剰余金(または元入金)を減少させる。3) 減価償却費はどこに表示されますか?
答えを見る
費用(販管費)として損益計算書に計上する。P/Lの読み方は出題範囲マップで全体像を復習しましょう。