T字勘定
勘定の左=借方、右=貸方を左右に分けて整理する、学習用の可視化図です。仕訳の転記や残高のイメージづくりに役立ちます。
定義と目的
T字勘定は、総勘定元帳の要点を左右2つの欄に簡略化して表現した学習図です。左側に借方の増加、右側に貸方の増加を記録し、期末に差し引きして残高を把握します。正式な帳簿は総勘定元帳ですが、理解を助ける図としてT字勘定を併用します。
| 分類 | 学習用の図(非帳簿) |
|---|---|
| 左側(借方) | 資産・費用の増加、負債・純資産・収益の減少 |
| 右側(貸方) | 資産・費用の減少、負債・純資産・収益の増加 |
| 活用 | 転記の方向、残高判定、勘定同士の関係の見える化 |
見た目と読み方(SVG)
左側に現金の増加、右側に現金の減少を記入します。期末時点の差引で残高(この例では147,000円)を求めます。
仕訳からT字勘定へ(例)
次の2取引を仕訳し、それぞれのT字勘定に転記してみましょう。
- 出資で現金150,000円の受入れ(
(借)現金 150,000 / (貸)資本金 150,000) - 現金で文房具3,000円を購入(
(借)消耗品費 3,000 / (貸)現金 3,000)
| 日付 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 4/01 | 現金 | 150,000 | 資本金 | 150,000 |
| 4/10 | 消耗品費 | 3,000 | 現金 | 3,000 |
T字勘定(現金)
- 4/01 資本金150,000
- 4/10 消耗品費−3,000
差引残高147,000
現金は資産です。資産は左側で増加、右側で減少を表します。
試験での観点
- 資産・費用は左で増加、負債・純資産・収益は右で増加という左右の基本を言語化して覚えます。
- 転記の方向性をT字で押さえると、元帳の集計(合計・残高)の理解が速くなります。
- 第3問(試算表)では残高が左・右どちらに出るかの直観が有利に働きます。
関連ページ
ミニ演習(T字勘定)
1) 「資産」の増加はT字の左右どちらに記入しますか?
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左(借方)です。2) 現金で支払いを行った場合、現金勘定のT字ではどちら側が増えますか?