仕訳帳
日々の取引を時系列に残し、後工程の転記と検算につなげる原始帳簿です。
概要
仕訳帳は取引が起こった順に「借方」「貸方」「金額」「摘要」を並べて記録する帳簿です。複式簿記では貸借一致が前提なので、仕訳帳で両側を1行で押さえておくことで後からの転記・確認が容易になります。
簿記3級では第1問の仕訳問題がそのまま仕訳帳への記入だと考えると理解しやすく、転記漏れや金額の取り違えを防ぐための起点であることを意識しましょう。
| 日付 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 4/01 | 現金 | 150,000 | 資本金 | 150,000 |
| 4/10 | 消耗品費 | 3,000 | 現金 | 3,000 |
仕訳帳では、1回の取引を「借方と貸方が同じ金額になる形」で1行(または連続行)に整理します。上の2行のように、資金の出入りと相手勘定を同時に並べておくと、後の元帳転記と検算がスムーズになります。
試験で押さえるポイント
- 借方と貸方は必ず同じ金額になることを確認しながら記入します。
- 摘要欄には取引先や取引の内容を簡潔に記載し、後で元帳を追跡できるようにします。
- 日付は仕訳帳の最左列に記入し、同じ日の連続取引は2行目以降の年月日を省略する形式に慣れておきましょう。
クイックリファレンス
| 分類 | 帳簿(主要簿) |
|---|---|
| 表示場所 | 原則非公開(内部記録)。期末には総勘定元帳・試算表へ集約。 |
| よくあるミス | 借貸の左右を逆に書く/摘要を省略して原因追跡が困難になる。 |
| 関連帳簿 | 総勘定元帳・補助元帳・試算表 |
仕訳帳 → 総勘定元帳 → 合計残高試算表の順で数字が流れます。1つ目のゲートが仕訳帳です。
代表仕訳と転記例
掛け売りした商品代金150,000円を記録する場合は次のようになります。
(借)売掛金 150,000 / (貸)売上 150,000
その後、売掛金勘定の借方、売上勘定の貸方へ転記し、月末に合計と残高を求める流れです。
関連ページ
ミニ演習(仕訳帳)
1) 現金で文房具2,000円を購入した場合、借方・貸方はどう記入しますか?
答えを見る
(借)消耗品費 2,000 / (貸)現金 2,000。2) 月末に売掛金を回収したとき、摘要欄に入れると良い情報は?
答えを見る
取引先名(例:〇〇商店)や請求書番号など、後で照会できる情報。3) 仕訳帳記入後に必ず行うべき次の作業は?
答えを見る
総勘定元帳(または補助元帳)への転記。仕訳帳の記入に慣れたら、仕訳練習ページでスピードと正確さを伸ばしていきましょう。