貸倒引当金

定義:売上債権の将来の貸倒に備える見積負債。使い所:期末に見積り計上し、翌期に戻入や取崩を行います。

仕訳例(貸倒引当金)
日付借方科目借方金額貸方科目貸方金額
3/31貸倒引当金繰入40貸倒引当金40
4/01貸倒引当金15貸倒引当金戻入15

対話で深める:貸倒引当金

現場設定(会社規模・締め日・回収サイト・税率・契約条項):

  • 会社規模:年商12億/従業員45名(卸売)
  • 締め日:月末締め
  • 回収サイト:月末締め翌月末入金(30日)
  • 税率:消費税10%(税抜経理)
  • 契約条項:検収基準/返品14日以内/遅延利息年3%

現場エピソード(単位:万円・個・% など):

決算日、売掛金は2,000。過去傾向から見積率は2%と決定。前期末の貸倒引当金残高は30。必要額は40なので、差額10を繰り入れます。翌期に実際の貸倒が15発生したら、まず引当金から15を取り崩します。

ユイ:数字があると、判断が速くなりますね。つまり「何に対して」「どの率で」「差額か総額か」を決めれば迷いにくい、ということですか?

先生:その通りです。定義と役割をまず言語化し、次に場面を特定、最後に金額の型(基礎×率か、差額か)に当てはめます。上のエピソードも、同じ手順で処理できます。

ユイ:試験で混乱したら、性格→場面→金額の順に自分へ問いかけます。

先生:仕訳を書いたあと、30秒で口頭説明できるかをチェックしましょう。説明できれば再現性があります。

判断基準とチェック
  • 対象は売上債権。必要額=期末売上債権×見積率
  • 仕訳は差額法(必要額−期首残=当期繰入)
  • 期中の実際貸倒は原則として引当金から取崩
  • 30秒で説明:何が起きて、どの基礎×率(または差額)で、なぜその相手科目か
  • チェック質問:締め日と回収/支払サイトは?請求日と入出金日のズレは?
  • チェック質問:税率や非課税・免税の適用は?端数処理は指示どおり?
  • チェック質問:契約条項(検収・返品・遅延利息・前受/割賦)はどう指示されている?

よくある誤り